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ガザで3時間の停戦−ユニセフ、医療資材などを配布
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© UNICEF/oPt/Iyad El Baba |
2008年12月30日、ガザ北部の商業都市ベイト・ハヌンで、イスラエル軍の空爆で亡くなった二人の女の子(ラマちゃんとハヤ・ハムダンちゃん)の葬儀に集まるパレスチナ人たち。 |
ガザで続く武力衝突から今日(7日)で12日目。3時間の停戦が実施され、限られた人道支援物資の輸送が許可されました。ユニセフは、家庭用水キット、保健キットなどの支援物資をガザの人道危機の影響を受けている人々に配布することができました。
いまだ、危険な状況に晒されている子どもたちの緊急のニーズに対応するため、より多くの支援が必要とされています。
ガザは、(イスラエルの砲撃の結果)現在2地域に分断されていますが、ガザの75パーセントの地域で、電気が途絶え、医療施設には特に問題が生じています。50万人以上のガザの人々は、水がなく、下水処理場を機能させるための電力がない状況で、汚い水を媒介とする疾患が蔓延するリスクも高まっています。
また、国連人道援助調整事務所(UNOCHA)によると、ガザでは、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が運営する学校が、昨日、砲撃に遭い、多くの死傷者が出たとのことです。
© UNICEF/oPt/Iyad El Baba |
2009年1月5日、ガザ市内の崩壊した家の瓦礫の中を歩くパレスチナの男の子たち。 |
国連は、この状況を「人道危機」と呼んでいます。
「今現在、ガザは非常に悪い状況にあります。言葉で表現することはできません。」パレスチナの16歳の女の子、リームさんは、UNICEF Radio(=ユニセフ・ラジオ*)の電話インタビューで話しました。
「私たちの家族は、(自分の家の)1階に住んでいます。国境付近での武力衝突から避難してきた他の4世帯も一緒に住んでいます。」リームさんは続けます。「うちの家には、子ども、お年寄り、女性、男性を含め35人が暮らしています。ガザでは、今、ほとんどの家がこのような生活をしています。」
© UNICEF/oPt/Iyad El Baba |
2009年1月5日、ガザ市内の崩壊した家の瓦礫の中で。 |
国連が運営する食糧配布センターは開いているものの、治安が悪い中、ガザの多くの家族は、食糧支援を受けられないままでいます。
「私たちは、缶詰で生き延びています」と、リームさん。「ガスが使えないので調理がきません。パンを作るための電気もありません。ですから、子どもたちは、朝になると、1袋あるいは2袋分のパンを手に入れるために、パン屋の前に列を作って並ばないといけないんです。」
ガザの「パン店主の会」のメンバーたちも燃料が尽き始めていると言います。武力衝突の影響で倉庫にも近づけないのだそうです。
リームさんは、11日間、家に閉じ込められた生活が続いているために、神経も磨り減ってきていると言います。
「今日は晴れて良いお天気です。子どももおとなも屋根に登っています。家の中にいることに、飽きているんです」と、リームさん。「私たちのお隣りさんには、15歳と16歳の子がいるんですが・・・屋根の上で遊んでいたら、爆撃機がやってきて、撃たれてしまったんです。だから、屋根の上も安全ではないんです。」
1月7日現在、闘いは続いているものの、3時間の停戦によって、ユニセフは、ガザ内に備蓄してあった、支援物資を必要な場所に配送することができました。支援内容は以下の通り:
ユニセフは、当面の活動資金として、約11億6000万円の支援を国際社会に求めています。