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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

イスラエルとパレスチナの両方で、最も大きな影響を受けているのは子どもたち

【2012年11月19日 ニューヨーク発】

11月21日午後2時(現地時間)、エジプトのムハンマド・アムル外相とヒラリー・クリントン米国務長官は、エジプトの首都カイロで共同記者会見を開き、イスラエルとパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスが停戦に合意したことを伝えました。

© UNICEF/NYHQ2012-1524/El Baba
ガザ南部のラファ市近郊のシャブボラ避難民キャンプで、11月18日、瓦礫と化した自宅から所持品を集める女の子。

この子どもたちは、あまりにも幼すぎて、この攻撃で自分の命が奪われるとは思っていなかったかもしれません。イスラエルとパレスチナの戦闘で命を落としたダロさん一家の4人の子どもたちは、砲撃が続くパレスチナ自治区ガザに埋葬されました。ダロさん家族の自宅は、18日(日)のミサイル攻撃によって瓦礫の山と化しました。

絶え間ない砲撃

この5日間、ガザ地区では、イスラエル軍による激しいロケット弾攻撃や空爆、砲撃が激化。イスラエル空軍は、ガザの1,000箇所以上を攻撃しました。パレスチナによるイスラエル南部の地域を狙った無差別のロケット攻撃も激しさを増しています。

これまでに、パレスチナ人88人が死亡。その中には、18人の子どもと12人の女性を含む57人の一般市民が含まれていました。負傷者は700人以上に上ると報告されており、そのうち、252人は子どもたちです。また、イスラエル人3人が死亡。50人以上が負傷したと報告されています。

大きな打撃を受けた子どもたち

イスラエルとパレスチナの両方で、最も大きな影響を受けているのは子どもたちなのです。激しい銃弾と爆弾は、子どもたちに一生の傷を負わせます。空襲警報の音におびえ、イスラエル南部とテル・アビブの子どもたちは、1日に何度も防空壕へ逃げ込んでいます。ガザでは、多くの子どもたちが寒さに震えながら夜を明かしています。窓は爆発で吹き飛ばされた場合に、ガラスの破片で怪我をしないようにと開かれたままになっています。6年間におよぶ封鎖と貧困の苦しみの中で、他に行くあてもありません。

ユニセフの緊急支援下での心理社会的ケアを担当する5チームは、病院や各家庭を訪問。この戦闘の犠牲となったり、ひどい暴力にさらされたり、目撃した子どもやその家族に会っています。しかしながら、治安情勢は緊迫しており、ほとんどの活動はガザで停止しています。限られた食料や支援物資に頼って生活している人々への人道支援活動は、難航しているのです。

医療関係の備蓄品は底を付き始め、重傷を負った患者を治療するための医療用品が、緊急に必要とされています。壊れた窓に貼り付けるビニールシート、病院で必要な発電機の燃料、水と衛生設備(トイレ)、浄水のための塩素剤も不足しています。

不必要な苦しみを食い止めるために

「ガザ全域の子どもたちが、かつてないほど支援を求めているということを忘れてはなりません。こうした状況でも、パレスチナの人々への約束を果たすべく、国連や国連関連機関は、人道危機に取り組む責任があります」ユニセフ・パレスチナ自治区代表のジーン・ゴフ代表はこのように語ります。

「ユニセフは、住んでいる地域の政治的背景にかかわりなく、子どもと女性の不必要な苦しみや死を食い止めるために活動しています。即刻行わなければならない支援活動があります。ユニセフは、全力で活動しています」

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