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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

パレスチナ・ガザ地区情勢
戦闘開始後、殺害された子どもは少なくとも146名
殺害された子どもの7割は12歳以下

戦闘が激しさを増すガザ地区で、子どもの犠牲が増え続けています。ユニセフ・パレスチナ事務所がSNSを通じて、現地の情報を伝えています。

ガザ市にあるシファ(al-Shifa)病院で治療を行うスタッフを前に泣く女の子 (7月18日撮影)
© UNICEF/Eyad El Baba/2014
ガザ市にあるシファ(al-Shifa)病院で治療を行うスタッフを前に泣く女の子 (7月18日撮影)

現地最新情報
【2014年7月22日 エルサレム発 (ユニセフ・パレスチナ事務所のFacebookページより)】

  • エルサレム7月22日(火)17時時点で、過去24時間内にガザで殺害されたパレスチナの子どもは少なくとも18名、全員が13歳以下
  • 戦闘開始後、イスラエル軍の空爆と攻撃で少なくともパレスチナの子ども146名(男の子97名、女の子49名)が殺害との報道、1日に10名以上が殺害、年齢は生後5カ月から17歳までで少なくとも105名(殺害された子どもの7割)は12歳以下
    ※殺害されたパレスチナの子どもは、前日の121名から25名増加
  • 報道によると、少なくともパレスチナの子ども1,100名がガザ地区で負傷、イスラエルでもイスラエルの子どもたち6名が負傷との報道
    ※負傷したパレスチナの子どもは、前日の904名から196名増加
  • ガザでは少なくとも学校85校(うち48校はUNRWA国連パレスチナ難民救済事業機関運営の学校、37校が公立学校)が、学校近くで発生したイスラエル軍の空爆や攻撃で被害を受けている
  • ガザにあるUNRWAの学校1校は、パレスチナの武装グループに占拠され、ロケット弾が保管されており、学校の中立性が保たれていない
  • イスラエル南部では、ガザからのロケット弾により、イスラエルの学校1校が被害を受けた
  • 戦闘は、子どもたちの精神面にも大きな影響を与えている
  • ガザで直接かつ専門的な心のケアを必要とする子どもは、10万7,000人

* * *

現地で身の危険を感じながら支援活動にあたるガザに暮らすユニセフ現地職員もまた、今回の戦闘に巻き込まれています。以下は、ガザにいるユニセフ職員が語る状況です。

現在の情勢を受け、ユニセフ・パレスチナ事務所は、緊急支援を含む今後の活動資金として総額1,428万4,000米ドル(約14億4,268万円※1米ドル=101円で換算)の資金を国際社会に要請します。内訳ならびに主な活動予定は以下の通りです。当協会からの拠出金は、これらの活動に役立てられます。

身の危険を感じながら支援活動にあたる職員

ガザ南部のラファ(Rafah)での戦闘後、家族らとともに学校に避難してきたパレスチナの子ども (7月21日撮影)
© UNICEF/Eyad El Baba/2014
ガザ南部のラファ(Rafah)での戦闘後、家族らとともに学校に避難してきたパレスチナの子ども (7月21日撮影)

ガザへの空爆と攻撃が始まってから2週間。多くの親たちは、現在の状況を子どもたちにどのように説明すればいいか、もはやわかりません。ガザで働くユニセフ職員にとっても同じです。懸命に人道支援に取り組む一方で、自身の家族や安全のためにも奔走しています。

水と衛生を担当するヤセル・ナサールとその家族は、ガザ北部のジャバリア(Jabalia)から中央部のブレイジ難民キャンプへ、さらにガザ市に避難しました。「安全な場所は、もうどこにもありません」

同じく水と衛生を担当するエマン・アキールは、次のように語りました。「子どもたちにラマダン(断食)が終わったことを祝う来週のイードのお祭りでどんなことをしようかと聞かれ、返す言葉がありませんでした。イードまでに戦闘が終わるかもわかりません。やむなく子どもたちに、どんなことが起きようとも、今年のイードはお祝いできないことを伝えました。子どもたちはプレゼントも新しい服ももらえません。イードをお祝いするかわりに、空爆で家を失った子どもたちを訪ねようと提案しました。今はただ、自宅が被害を受けないことを願うばかりです」

広報官のサジ・エルムガーニは「ガザ市にある自宅には、現在40人以上が避難しており、すし詰め状態です。親戚たちはみな、自宅を爆撃されたあと避難してきました。現在は食糧も水も配給制なので、このような人数を受け入れることは困難です。また、子どもたちを退屈させず、そして外出させないことはとても難しいのです。子どもたちはとても怖がっていて、睡眠にも影響が出ています」と述べました。

保健専門家のユニス・アワクララーは、「角にあるパン屋に行くことすら恐怖です」と述べ、外出することの恐怖を語りました。

ユニセフ・ガザ現地事務所の所長のペルミル・イロンシドは「ガザの住民は絶えず爆撃にさらされ、住民の43%は、安全な場所などどこにもないこの狭い土地に押し込められているのです。毎日、亡くなる子どもや女性の数は増えており、人道支援のための安全なアクセスもありません。一般市民は守られなければならないのです。このような厳しい状況にあるガザの人々に対する思いやりを感じることはできません」と述べました。

■ 公益財団法人 日本ユニセフ協会(東京都港区・赤松良子会長)は、ユニセフ・パレスチナ事務所の要請を受け、緊急支援に備えて設けている臨時拠出積立金より、7月22日、70万米ドル(7,109万2,000円)を拠出。水と衛生、心のケア、医薬品の提供などの緊急支援活動に活用されます。日本ユニセフ協会は、パレスチナはじめ中央アフリカ、南スーダンなど、人道危機に見舞われている国々でのユニセフの緊急支援活動を支援する「人道支援募金」へのご協力を呼びかけています(詳細は文末)

■参考情報:ユニセフ・パレスチナ事務所による資金要請(2014年7月16日配信/一部数字に修正あり) 現在の情勢を受け、ユニセフ・パレスチナ事務所は、緊急支援を含む今後の活動資金として総額1,428万4,000米ドル(約14億4,268万円※1米ドル=101円で換算)の資金を国際社会に要請します。内訳ならびに主な活動予定は以下の通りです。当協会からの拠出金は、これらの活動に役立てられます。

活動分野 主な活動予定
保健 100万米ドル 病気の子ども3万人に薬や消耗品を提供
水と衛生 453万8,000米ドル ガザ地区の4万9,000人にトイレや安全な水を供給
ヨルダン川西岸の6万7,600人に飲料水を提供
子どもの保護 207万9,000米ドル 戦闘下にある子ども2万6,000人と保護者5,900人に保護と心のケア活動
地雷教育を子ども10万人と保護者1万5,000人に実施
軍に拘束されている子どもたちの権利保護のため、監視報告体制の強化
教育 543万7,000米ドル 学齢期の子ども3万1,500人に安全な学習環境を提供
青少年2万人に放課後の遊びや勉強のプログラムを提供
分野等調整 123万米ドル  

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