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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ガザ・イスラエル ユニセフ事務局長声明
「いたるところで激しい暴力」
殺害された子どもは少なくとも245名

【2014年7月30日 ニューヨーク発】

空爆で破壊された家の瓦礫の中を歩く男の子。(ガザ地区)
© UNICEF/NYHQ2014-1000/El Baba
空爆で破壊された家の瓦礫の中を歩く男の子。

戦闘開始から23日目を迎えたガザ・イスラエル情勢に対する、ユニセフ事務局長 アンソニー・レークによる声明です。

「ガザの学校が新たに攻撃を受け、子どもが犠牲となりました。このような暴力が、中立な場である学校を含め、いたるところで起きています」

「戦闘が始まってからの23日間に、ガザでは多くの子どもたちが、恐怖と絶望の中を生き延びています。上水道は使用できなくなり、道路には下水が流れ込んでいます。電気もほとんど使えず、医薬品も不足している中で、保健スタッフたちは懸命に救命活動を行っています。戦闘が始まってから、少なくとも子ども245名が殺害されました」

「戦闘開始からの23日間、イスラエルの子どもたちは、自宅や近所を狙った無差別攻撃の脅威の中、暮らしています」

「おとなたちが子どもたちを守るという責務を放棄してしまったら、こうした子どもたちや子どもたちが暮らす社会は、どのような希望を持てるのでしょうか?こうした環境で成長していく子どもたちは、自分たちがおとなになったときのふさわしい行動を、周囲のおとなたちから学ぶことなどできません」

「子どもたちのために、戦闘にかかわるすべての勢力は、本心に立ち返らねばなりません。また、人道支援関係者が支援を必要とする人たちへの支援を行うことを認め、戦闘を停止することに合意する必要があります。最も戦闘に責任のない子どもたちを含め、さらなる命が失われる前に、直ちに取り組まねばなりません」

* * *

水と衛生に関する最新情報  

給水所でタンクに水を汲む子どもたち。(ガザ地区)
© UNICEF/NYHQ2014-1004/El Baba
給水所でタンクに水を汲む子どもたち。

【2014年7月29日 エルサレム発】

ユニセフは、水と衛生部門のリーダー役(支援団体・機関間の調整や分野の活動全般とりまとめ)を担っています。水と衛生に関する最新情報をご紹介します。

<概況>

UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の学校に避難している人は、7月29日時点で、20万337名(85カ所)※。公立学校や病院、教会、モスクまた屋外に避難している人もいる。避難している人たちが必要としているのは、水と衛生サービス。また、親族や友人宅に避難している人は、推計よりも多いと思われる。
※現地時間7月30日、UNRWAは新たにシェルター1カ所を開設、計86カ所のシェルターに避難している人は21万9,657名(1シェルターあたり平均2,554名) UNRWA Chris Gunness広報官のTwitterより

7月29日、ガザの発電プラントが攻撃を受け、炎上。ガザ地区の水と衛生施設に壊滅的な影響。ガザ地区の全住民が電力、水と衛生サービスがほぼ使えない。電力が使えなくなれば、ガザでは水も使えなくなる。

水と衛生分野のメンバーは、最も強い言葉でエネルギー不足、人道支援アクセスの欠如、上下水道サービスの運営と維持、また施設の修理を行う給水サービス提供者への妨害を非難する。27日、上下水道サービスの技術者が業務中に新たに1名殺害され、同僚1名も負傷。ガザの住民ならびに避難している人たちは、深刻な公衆衛生のリスクにさらされている。

<各地の様子>

●ガザ北部
先週日曜日の一時停戦中に、技術者が水と衛生設備の被害状況を初めて調査。道路や住宅街近くの臨時ゴミ捨て場15カ所にはごみが山積みとなっている。

ベイト・ラヒヤ(Beit Lahiya)で、水道管5カ所を修理。これにより、家庭に供給される水が増え、西部の住民への供給網の準備もできた。ジャバリア(Jabalia)では、市東部の水道管が修理され、現在も生活を送る住民2,000人への給水が復旧。

●中部
町の中心部へ水を供給する多くの井戸は、3kmに及ぶ立ち入り禁止地区内にあり、事前の調整なしにアクセスができない状況。デル・バラ(Deir AlBalah)海水淡水化プラントは、ポンプを稼働させる燃料が不足していることから稼働できず。浄水した水を積んだトラックでの給水を試みる予定。

●ラファ
シェルターに避難している人たちに、シラミや疥癬といった症状が広まり始めたとの報告あり。行政より、駆除剤などの提供の相談。今後、水に起因する病気が増えるとみられ、保健当局との協議が必要。

<取り組み>

●トラックによる給水(UNRWAのシェルターに避難している住民などに)
●貯水タンクの提供

※ガザ市での取り組み状況
学校へトラックによる水の運搬、学校や道路にあふれている下水の撤去、道路に積まれているごみの回収、ラジオを通じて公衆衛生に関するメッセージを発信、携帯電話を通じた配信も検討中

<今後の取り組み>
燃料の供給-海水淡水化プラントを稼働させて水を供給するために、現時点で最も必要なのは燃料

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