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ルワンダ:蚊帳が妊産婦と子どもの命を守る【2010年6月29日 ルワンダ発】
4人の子どもの母親であるセラフィネ・カバシンガさんは、いつもマラリアのことを心配していました。カバシンガさんは、ルワンダの首都キガリから東に約1時間のところにあるマラリアが流行している地域に暮らしています。 「家族が蚊に刺されないように、窓には虫よけとしてイトスギのような木の枝を置いて、日が沈む前にはドアを閉めていました」と、カバシンガさんは話します。「いまの若いお母さんたちは、昔よりも恵まれていると思います。妊娠して定期健診のために保健所へ行けば、政府から無料で蚊帳をもらえるんですから。」 マラリアは、予防可能であり、発症した場合でも治療をすることができます。予防や治療のための効果的な手段も開発されています。殺虫処理された蚊帳の下で眠る、という対策によって、子どもの全死亡率を最大20パーセントまで削減することができるのです。 予防可能な手段現在、ユニセフは、パートナーと共に、ルワンダ全域で母親と子どもたちの定期健診を行う支援を展開し、マラリアの撲滅を目指しています。また、半年ごとに実施されている「母親と子どもの保健週間」を利用して、妊産婦を把握し、殺虫処理された蚊帳を無料で提供しています。 妊娠中にこうしたマラリアを予防するための手立てを講じると、出産時低体重児と妊娠中の貧血の割合を大きく低減することができるのです。 カナダのユニセフ国内委員会によって支援されているこの活動は、ルワンダでのマラリア根絶を目標に行われています。母親と子どもの保健週間などのイベントに合わせて各家庭を訪問し、サービスを提供すると共に、長期にわたって殺虫効果が持続する処理が施された蚊帳を配布することによって、ルワンダの5歳未満の子どもたちのマラリアの罹患率は大きく削減されています。 保健と経済成長マラリアの蔓延を食い止めることは、子どもの生存、保健、発達にとって非常に重要であり、ミレニアム開発目標達成のためにも欠くことのできない問題です。 また、マラリアはアフリカの経済に深刻な影響を及ぼしています。経済成長と発展を遅らせ、終わりの見えない貧困の悪循環を引き起こすことで、主に、農村部のマラリアに感染しやすい地域に住む貧しい人々を苦しめているのです。ユニセフは、ルワンダで実施している蚊帳の無料配布といったプロジェクトを通して、マラリアによる労働生産性の低下を防ぎ、病気と貧困の悪循環を断ち切るべく活動しています。 「母親と子どもの保健週間は、母親と子どもたちの命を守るための支援を提供するのに非常に重要であるだけでなく、妊産婦と子どもの生存を更に向上させるための重要なメッセージを、出来る限り多くの人々に伝える好機にもなっています。」ユニセフ・ルワンダ事務所のジョセフ・フォウムビ代表はこのように話しました。 「私の家族は、就寝時に蚊帳を使い始める以前は、少なくとも月に一度、家族の誰かがマラリアにかかっていました。」カバシンガさんの隣人のアルベラ・ムカマナさんはこう話します。「でも今は、蚊帳がありますから、マラリアに感染しなくなりました。お金を節約できて、家族全員が健康保険に加入しました。小さな店を開くこともできたんです。」 |