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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

平和と社会開発の鍵

【2012年2月9日 ニューヨーク発】

© UNICEF Sierra Leone/2011/Asselin
シエラレオネのグバラフン村の学校で授業を受ける女の子。

今、世界中で、150万人の子どもたちが武力紛争による何らかの影響を受け、非常に厳しい立場に立たされています。武力紛争下で生きる子どもたちは、暴力にさらされ、基本的なニーズを奪われ、(健康的に)発達する機会も失っています。

しかしながら、こうした状況の中でも、平和を構築することができる非常に重要な方法があります。それは、教育です。

ユニセフの依頼で、サセックス大学のマリオ・ノヴェリ氏とアルスター大学のアラン・スミス氏がまとめた最新の報告書『平和構築における教育の役割:レバノン、ネパール、シエラレオネからの報告』では、教育が平和を促進し得ることを裏付ける事例が提示され、同時に、教育の中に、平和構築の観点を取り入れることの必要性が強調されています。

こちらのポッドキャストでは、本報告書をまとめたノヴェリ氏とユニセフで平和構築・復興支援を担当するジム・ローガン部長、さらに、オランダの外務省教育研究部門のルイーズ・アンテン大臣が、本報告書が指摘する点と、持続可能な平和構築における教育の役割を議論しています。

ポッドキャスト(英語)はこちら »

武力紛争の影響を緩和する教育

このポッドキャストの中で、ユニセフのローガン部長は、教育は社会の状況に応じて変容するものであり、その国の知的財産をつくる基本となるものだと説明しています。

「子どもたちを学校に通わせること。これは、平和構築に非常に大きな役割を果たします。」ローガン部長は、子どもたちが、安全が確保された教育システムに取り込まれていれば、武装グループの活動に引き込まれることは難しくなると言います。また、教育カリキュラムを作るプロセスを通じて、武力紛争を仲介し、対立している勢力をひとつにまとめることも可能だとも語っています。

また、議論が、平和構築のための教育プログラムへの財政的支援の問題に触れると、アンテン大臣は、紛争が終結したばかりでまだ政情が安定していない国の子どもたちには、なかなか支援の手が行き届いていないと語ります。

「恐らく、資金の過不足の問題ではなく、政策の問題なのです。」 アンテン大臣は、教育は、平和構築を語る中で、いままで注目されることはなかったと付け加えました。

しかしアンテン大臣は、積極的な変化も見られると言います。「私たちは、さらに議論を一歩進めています。つまり、ただ単に「読み書き足し引き算」などを学ぶ機会を提供するだけでなく、教育という活動そのものが、平和構築に資するように考えているのです。」

基礎となる研究

ノヴェリ氏は、報告書の主要な報告点を説明する中で、武力紛争の影響を受けている国をそれぞれ単独で取り扱い、各国の特別な状況を理解することが欠かせないと話しました。

「平和構築のための教育プログラムを立案する場合、紛争に関わる政治経済学を考慮する必要があります。しかしながら、私たちが調査した範囲では、こうしたことが配慮された例は一例もありませんでした。事業を始める際は、調査結果を十分吟味し、十分研究した上で実践に移されることが必要なのです。」(ノヴェリ氏)

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