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シエラレオネ:子どもとコミュニティと守る衛生アプローチ【2012年11月19日 シエラレオネ発】 11月19日は「世界トイレの日」。トイレに関連するタブーを打ち破り、世界の衛生状況に対する関心を集めようと制定されました。世界では、25億人もの人々が改善された衛生設備(トイレ)を使用できない状況に置かれています。
メメナトゥ・コンテーさん(14歳)は、これまでにも不衛生な衛生環境にまつわる多くの危険にさらされてきました。ひどい下痢性疾患に陥り、マックルグベの診療所まで治療を受けに行くため、学校を休まなくてはいけないこともありました。 また、茂みの中に用を足しに入った際、とげのある植物を踏んでしまい、痛みを伴う感染症にかかったことも。メメナトゥさんの兄弟のひとりは、茂みの中で用を足しているときに蛇にかまれ、一時、歩けなくなりました。 しかし、こうした出来事は、学校主導の総合衛生プログラム(SLTS)が開始される前のことです。 水と衛生プログラムのスタートメメナトゥさんが通っているマサカにあるTDC小学校は、トンコリリ地区に6校ある小学校の1つで、水と衛生プロジェクトに参加しています。このプロジェクトは、子どもに優しい衛生設備を学校に提供。また、衛生教育やSLTSを行ってもらうよう地域の学校を手助けしています。 SLTSの一環として、メメナトゥさんは、以前に直面した困難を避けるための方法を学びました。また、学校では、水と衛生(WASH)クラブに参加して、学校の校庭だけでなく、住んでいる村でも改善されたトイレや衛生習慣を広めるために活動しています。 コミュニティに変化を起こす水と衛生クラブのメンバー12人と、教員2人、そして学校管理委員会の委員長は、集中トレーニングに参加し、衛生習慣を確立するため、学校だけでなく、コミュニティの中でも積極的な活動を展開することを約束しました。 TDCマサカ小学校の水と衛生クラブのメンバーと教員の大変熱心な活動と説得力のあるプレゼンテーションは、マサカの村人の行動に変化を引き起こし始めています。こうした実践は、コミュニティの人々に、目に見える形で屋外排泄と病気の関連性を説明する一助となりました。 コミュニティには、トイレと手洗い場が設置され、事実、マサカ村では、屋外排泄がなくなったことが宣言されました。これは、全ての家庭が、トイレと手洗い場を利用できる状況に置かれていることを意味しています。 水と衛生クラブの活動
屋外排泄の習慣に打ち勝った今も、水と衛生クラブは活動を続けています。「時々、学校の帰りに村を回って、トイレを設置していない村の人たちにトイレの設置をお願いしたり、まだ完成していない人たちにはぜひ完成させて欲しいと話したりしています。また、トイレやその周辺の掃き掃除や、トイレの穴は常に蓋をしておかなければいけないといったこともお話します。一軒一軒家を回って、きちんと使われているかを確認して、助言もしているのです」メメナトゥさんはこう話します。 メメナトゥさんは、身近な親戚であっても、こうした後押しが必要だと説明します。「私のおじさんでさえ、トイレが完成するまで、(トイレの重要性を)いつも思い出してもらわなければなりませんでした」 現在、水と衛生クラブの子どもたちはさらに活動を拡大しています。モハメド・A・カマラ校長先生は、屋外排泄をなくすためにコミュニティ周辺で行った子どもたちの活動をこう話します。「彼女たちは、我々のコミュニティだけでなく、5マイル離れたマユムトなどの他のコミュニティにも、病気の予防について話して回っています。歌を歌った活動も行っているので、こうした活動に役立ててもらおうとメガフォンを提供しました。また、病気を食い止めるためにすべきこと、してはならないことを伝える寸劇も披露しています」 状況の改善メメナトゥさんは、「SLTSのおかげで、生徒の私たちの生活だけでなく、学校やコミュニティ全体が変わりました。このプログラムがスタートする以前は、トイレを掃くことや清潔にしておく方法を、何も知らなかったのです。でも今は、健康的な環境を整える重要性を教わり、毎日実行しています。以前は、トイレを掃除したり、蓋をしたりしていませんでした。ただ、そのままにしていたのです。現在は、こうやって学んだこと全てをいつも実践しています」 メメナトゥさんは、水と衛生クラブの活動を継続し、得た知識を広め続けたいと語ります。「活動を続けていきたいと思っています。以前は、すぐに弟が病気になっていました。でも、トイレを掘ってから、病気にかかることがなくなったんです。私の家では、もう病気に苦しむことがなくなりました。ですから、このプロジェクトが好きなのです」 |