メニューをスキップ
HOME > 世界の子どもたち > ストーリーを読む
財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ソマリア:子どもたちの命を守る保健ボランティア


【2007102日 ソマリア・バイドア発

伝統薬が息子のサエード君(1歳)の病気に効き目がないことを、母親のハワさんは直ぐに気がつきました。サエード君は衰弱し、足は今にも破裂するばかりに大きく膨れ上がっています。深刻な栄養不良で、息も絶え絶えの息子を助けるため、ハワさんは一刻も早く病院に向わなければなりませんでした。

© UNICEF Somalia/2007
ソマリア・バイドア地区にある唯一の診療所で、順番を待つ母親と子どもたち。

ハワさんは、ユニセフが支援するバイドア地区にあるディーグロール母子診療所に助けを求めました。この診療所は、診療所がないこの地域に作られた、女性と子ども向けに無料で診療を提供しているバイドア地区唯一の診療所です。「遠かったけど、子どもをここまでおぶって連れて来ました。この診療所の素晴らしさを、以前から沢山聞いていましたから」ハワさんは言います。

この小さな診療所には、18人のスタッフがいます。みなボランティアで、1997年から診療所の活動を支えてきました。彼女たちの活躍は、この地域の人々の生活を大きく変えました。彼女たちの活動は、ソマリアに住む人々の献身さの証しでもあります。「この診療所がなかったら、路頭に迷っていたわ」とハワさんは話します。

予防が鍵

先月、ユニセフは、ソマリア中・南部の8万3,000人の子どもたちが、深刻な栄養不良状態にあり、うち1万3,500人には、生死を左右するほど深刻な状態であると報告しました。

ディーグロール診療所では、様々な保健栄養サービスを提供しています。また、最近、より多くの子どもたちが健康的な生活をおくれるよう、新しい取り組みを始めました。「今のサエード君には、食べ物を与えるだけでは不十分でした。24時間、症状を監視し、特別な食事や栄養補助ミルクを与えなければなりませんでした。」ユニセフ・ソマリア中南部地域事務所の栄養事業担当官レジン・コッパロウは話します。ディーグロール母子診療所では、サエード君のような栄養失調児に治療的な給食を提供するだけではなく、お母さん方に、栄養失調を予防するための栄養改善教育も実施しています。

「この診療所がなかったら、サエード君は死んでしまったかもしれません。」ディーグロール診療所のマルヤン・ハギ所長は話します。「でも、私たちの活動は、単に苦痛を和らげるだけではありません。女性たちに予防手段を教え、マラリアの感染を防ぐために蚊帳も提供しました。これは、この地域で病気になる人やマラリアで死亡する人の数を、大きく減らしてくれるでしょう」。

**************

ユニセフの支援活動を支えているのは、皆様からの温かい募金です。
特に、定期的な 募金は、大きな支援に結びつきます。
定期的な募金によって、長期的な計画と支援が可能となり、緊急支援にも対応できるのです。
皆様の温かいご理解とご協力をお願い申し上げます。

ユニセフ・マンスリーサポートプログラムにご参加下さい。

トップページへコーナートップへ戻る先頭に戻る