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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

「ソマリアの子に光を」ユニセフ現地事務所で働く日本人医師の手記

【2013年5月23日 東京発】

2010年6月から今年3月まで、ユニセフ・ソマリア事務所の保健・栄養・水衛生事業部長として、子どもたちの保健活動にあたった國井修さん。東日本大震災の発生直後には、ユニセフ本部が派遣した日本人専門家の第1号として、被災地で支援活動の陣頭指揮にあたってくださいました。

内戦が始まった20年以上も前、NGOのボランティアとしてはじめてソマリアの地に立たれた國井さんが現地での活動の様子を綴った手記「ソマリアの子に光を」をご紹介します。

國井さん手記「ソマリアの子に光を」
(新しいウインドウでビューアが立ち上がります。)

協力:下野新聞社
※2012年4月より2013年3月まで下野新聞(栃木県)に連載された「ソマリアの子に光を」を、下野新聞社のご承諾を得て転載しました。下野新聞社に無断で本文を転載することは禁止されております。

ソマリアの現状

© 日本ユニセフ協会/2013
ユニセフ・ソマリア事務所のシカンダー・カーン代表

5月、ユニセフ、国連世界食糧計画(WFP)、国連食糧農業機関(FAO)のソマリア事務所代表団が来日、同月2日、日本記者クラブで「ソマリア新政府発足−現状と3機関の共同戦略」との合同記者会見を行いました。

20年に及ぶ内戦が続いたソマリア。2012年新政府発足後、治安が落ち着きを取り戻し、国連機関の支援活動は首都モガディシュ以外にも拡がり、活動が可能な地域は拡大しています。

内戦中は、隣国ケニアの支援センターを拠点に支援活動を行ってきたユニセフも、モガディシュでの活動を拡大。約160名のスタッフが、モガディシュ、ガルカイヨ、ハルゲイサ、ボサソ、ガロウェで支援にあたっています。 2010年から12年にかけて起きた飢饉で亡くなった人は25万8,000人。その半数は5歳未満の子どもでした。飢饉の前兆となる干ばつが起き、生き延びるためにわずかな財産をも売ってぎりぎりの生活をしていた住民たちは、非常事態へ対応ができずに、多くの人が亡くなる、または深刻な栄養不良に陥る事態となりました。

この大飢饉を繰り返さないために、3機関合同で、ソマリアは人的資本、経済的資本への投資が必要な段階にあると訴え、3機関が“3本の矢”なって支援活動を行うことを述べました。具体的には、世帯ごとの生産性を高め収入源を多角化することコミュニティ主導の基礎サービスの支援とニーズの把握、緊急活動ではなく人的資本また社会開発のためのセーフティネットの構築を目指しています。

ユニセフ・ソマリア事務所代表のシカンダー・カーンは「ソマリアの人口は約900万人。そのうち、約7割が35歳未満の若い国です。人材を育てなければ、国の安定、成長は実現できません。緊急事態にとどまらず、情勢が落ち着いてきた今こそ、人的資本への投資をお願いします」と強調しました。

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