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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

南スーダン紛争:
新たな戦闘で踏みにじられる人道支援
約90万人が避難、半数は子どもたち

【2014年3月3日 南スーダン共和国・ジュバ発】

©UNICEF/NYHQ2014-0227/Mackenzie Knowles-Coursin
マラカルにある国連基地。避難している女性と子どもたちが、長蛇の列に並び、給水を待っています。

ユニセフは本日、南スーダンでの新たな戦闘の開始により、さらに数万人が避難を余儀なくされる見込みだと発表しました。世界で最も若い国の危機は、厳しい局面を迎えています。同国では、すでに約90万人が自宅を離れて避難しており、その半数は子どもたちです。

ユニセフ緊急支援本部部長のテッド・チャイバンは「大惨事を回避するために懸命に取り組んでいます。激しい戦闘と恐ろしい暴力を目の当たりにし、住民は自宅を離れて避難し続けています。南スーダンの夢は、この国の子どもたちにとって悪夢となりつつあり、危機にさらされています」と述べました。

上ナイル州で新たに3万人が避難

1月末の和平合意に調印したにも関わらず、政府軍と反政府軍の戦闘は数週間にわたり激化しています。激しい武力衝突と2月の北部の上ナイル州の中心都市マラカルでの教会や病院での住民殺害の報告に続き、戦闘は同州全土に拡大。これにより、新たに3万人以上が避難しています。

チャイバン部長は「すでに、飲料水やトイレ、栄養、シェルターなどをわずかしか得られていない女性や子ども、男性が大勢います。このような状況下では、子どもは特に感染症にかかりやすく、食料も足りず、極めて厳しい状況におかれるのです」と強調しました。

戦闘で住民や家畜も避難していることから、多くの人が収入を得られません。自宅は略奪され、市場は破壊され、定期的な支援が妨害された結果、370万人が深刻な食糧不足や感染症の発生、急性栄養不良に直面しています。

暴力行為の残忍な爪あと、子どもにも

©UNICEF/NYHQ2014-0229/Mackenzie Knowles-Coursin
マラカルにある国連基地に、家族と共に避難している女の子。

人道法への重大な侵害が各地で報告されており、紛争による子どもへの影響はとりわけ深刻です。2カ月にわたり、男女にかかわらず子どもたちは殺害され、重傷を負い、レイプされ、親を失って孤児となり、武装勢力に関与させられ、家を失いホームレスとなりました。

「ユニセフのスタッフも、残虐行為の爪あとを個人的に目撃しています。この暴力を正当化できる理由などどこにもありません。国際法の下では子どもも住民も守られるべきですが、暴力は続いており、さらなる国際法への違反がみられます」「この危機の唯一の解決法は、政治的な対話です。雨季が近づいており、時間との闘いです。紛争を停止すべきなのです。この危機への財政的な支援が増強されれば、ユニセフを含む人道支援機関は、雨季が来る前に支援物資を前もって輸送し、支援サービスを強化して子どもたちに支援を届けることができるのです」と、チャイバン部長は述べました。

4月の雨季到来までに支援を届け終えることが急務

ユニセフは、比較的情勢が安定している間に国内の異なった地域で、水やトイレ、保健、栄養の支援サービスを行っています。ユニセフとパートナー団体は、家族とはぐれた子どもたちを見つけ出し、可能な場で心のケアをしています。ユニセフは、避難民が多くいる場所では、心に傷を負った子どもたちに不可欠な教育を受けられるように、施設の提供の支援も行っています。

2014年上半期の南スーダンにおける緊急人道支援として、ユニセフは7,500万米ドルを要請しています。雨季が訪れると、多くの道が通行不能となるため、雨季より前に速やかに支援物資を届け備蓄しておく必要があります。

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