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スリランカ:武力紛争の影響で何百人もの子どもたちが死傷【2009年3月18日 ニューヨーク発】
アン・ベネマン ユニセフ事務局長は、スリランカ北部のバンニで続く武力紛争が、多くの子どもたちの生命を脅かしていると警告する声明を発表しました。 「現在、スリランカで続いている紛争により、既に何百人もの子どもたちの命が奪われ、また、それを大幅に上回る数の子どもたちが傷を負っています。何千人もの子どもたちが、食糧、水、医療品の不足のために危険な状況に置かれています。」(ベネマン事務局長) 15万人以上の人々が、スリランカ政府と「タミール・イーラム解放の虎」(LTTE)との武力紛争の影響を受け、身動きが取れない状態です。 「人道支援組織が、こうした人々に、定期的な、そして安全なアクセスが早急に確保される必要があります。人々の命を守る支援物資が、必要とする人々の元に届けられること。紛争が続く地域の人々が、様々な支援が提供されている安全な場所へ避難できるようにしなければなりません。」ベネマン事務局長はこのように加えました。 4万人が避難
これまでに紛争地域から避難することに成功できたのは約4万人。人道支援組織は、その活動の展開を急いでいます。 「ユニセフをはじめとする人道支援組織は、仮設トイレの設置や、飲料水の提供を急いでいます。」ユニセフ・スリランカ事務所のジェイムズ・エルダー広報官は話します。「また、負傷者で溢れかえっている病院への支援も行っています。」 エルダー広報官によると、避難を余儀なくされた人々の中には、500人以上の妊婦が含まれています。ユニセフは、こうした人々のために特別な支援物資を提供していますが、武力紛争がこのまま続くと、支援を必要とする子どもと女性の数は、今後数週間の間にさらに急増するものと予想されています。 「権利」を奪われる子どもたち避難生活は、たとえそれが一時的なものであっても、子どもの健康と発達に大きな影響を及ぼします。ユニセフは、今回の紛争がもたらしている教育活動の中断や、暴力に晒されたことにより子どもたちが受けている精神的な影響を軽減するべく活動を続けています。 ベネマン事務局長は、スリランカ政府とLTTE双方に対し、一般市民への被害を防ぎ、子どもの権利を尊重するよう強く要請しました。 「子どもたちは、今回の武力紛争の罪のない犠牲者です。この子たちへの支援が強く求められています。子どもたちを守るために、特別な努力が払われなければなりません。」(ベネマン事務局長) |