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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

シリアとイラクの子どもたちのために、より良い教育を

【2009年6月16日 シリア】

© UNICEF video/2009
シリアの首都、ダマスカスにあるジェルジ・トマ学校の子どもたち。この学校は、イラクから避難してきた多くの子どもたちを受け入れるために選ばれ、修繕を受けた140校のうちのひとつです。

頻発する武力衝突から逃れるため、イラクの首都バグダッドから隣国のシリアに避難してきたミリアムちゃん(11歳)は、2008年からジェルジ・トマ学校に通っています。今年、ミリアムちゃんはこの学校が劇的に変化する様子を目の当たりにしました。彼女がこの学校にやってきた時、壁はひび割れ、教科書はボロボロでした。

「先生たちは一生懸命でした。でも、何もかも無かったんです。」とミレアムちゃんは話します。

ユニセフや、欧州委員会(EC)、シリア教育省の支援によって、ミリアムちゃんの学校は変わりました。ミリアムちゃんは今、中庭を覆う大きな屋根の下で遊ぶことができますし、冷たくて安全な飲料水を飲むこともできます。また、真新しい理科の教科書も手に入れました。

「全てが変わって、全てが素敵なの。」 ミリアムちゃんと同じくこの学校に通うラナちゃん(9歳)は、こう話します。

適切な衛生習慣を学ぶ

ユニセフなどによる支援は、ただ単に、学校を子どもたちにとってより良い場所にするということ以上の影響をもたらしました。適切な衛生施設(トイレ)を設置すると共に、清潔を保つことの意義を説明し、子どもたちは適切な衛生習慣を学習します。さらに、子どもたちが、こうした学校で学んだ知識を家の人に伝えることが、家族を病気から守ることにも繋がっているのです。

「習慣を良い方向に変えていくことは、教育の本質です。」ユニセフのジョン・ダビ教育事業担当官は話します。

ジェルジ・トマ学校は、2007年10月から欧州連合からの支援を受けて修繕された140校のうちのひとつです。イラクから多くの子どもたちがシリアに避難してきたため、ジェルジ・トマ学校も修復を必要とする学校のひとつに選ばれたのです。

教材や、机、椅子などのほか、ユニセフが提唱する「子どもに優しい学校イニシアティブ」の一環として、子どもたちが能動的に学習するよう、また様々な学校活動の中で子どもの参加を促すよう、学校関係者と教育省関係者に対する研修も実施されました。

より多くの学校を良い環境に

ユニセフは、欧州連合などからの支援を受け、今後3年間で新たに76校以上の学校を修復する予定です。

「私たちは、シリアとイラクの子どもたちに、積極的に彼らの社会を発展させ、個々の関心を目に見える成果へと変えていく機会を与えたいと思っています。」欧州連合のエンジェル・グティエレス氏は話します。

2009年5月10日、ジェルジ・トマ学校で行われてきた修繕作業の完了を祝う華やかな式典が催されました。この式典に参加したスーレマン・アルハティーブ教育副大臣は、「子どもたちを思いやることは、私たちの未来を思いやることです。」と語りました。

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