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≪2002年4月8日信濃毎日新聞 掲載≫ 勉強熱中 アフガンへ戻る夢
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アブドゥラは、現在住む避難民居住地から歩いて5時間ほど離れたアフガニスタン北部国境にあるエマン・サヒブという村からやってきました。2年前、村はタリバンにより破壊されました。「僕の家が焼けて崩れていくのを見たよ。タリバンのせいで、僕等はここに逃げてこなくてはならなかったんだ」と、アブドゥラは言います。
アブドゥラは、同じ避難民居住地に住む300人以上の子どもたちの1人にすぎません。ユニセフとユニセフに協力するNGOは、こうした子どもたちに勉強する機会を与えようとしています。子どもたちは、英語、ペルシャ語、生物、算数、スポーツなどいろいろな教科を勉強しています。子どもたちに勉強を教えるのは、やはり避難民居住地に住む、以前アフガニスタンで教えていた経験のある元教師で、ユニセフ職員による定期的な研修を受けて教壇に上がっています。
避難民居住地の子どもたちの勉強に対する熱意には、並々ならぬものがあります。子どもたちはユニセフが提供するスクール・バッグを誇らしげに掲げ、1本の鉛筆、1枚の紙でも大切に使います。ついさっき習ったばかりの足し算について話していたりします。でも、何よりも誇りにしているのは、ノートに自分の名前を書けることのようです。
午前中の授業の終わりには、授業の行われているテントの周囲に、伝統的なアフガニスタンの歌を歌う子どもたちの歌声がこだまします。その歌声は、希望と情熱に満ちています。
「♪故郷はわたしの愛、そして誇り。わたしはアフガニスタンに、わたしの愛、故郷、心、そして、誇りを残してきた。だから、祖国アフガニスタンに戻るのは、わたしの義務♪」