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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

児童労働防ぐための財団
<タイ>

 東北タイより鉄道でバンコク中央駅に出てきた子どもに職業斡旋業者が近づき、過酷で搾取的な条件の工場で働かせることが頻繁にあった。このため、子どもを駅でいち早く保護し、子どもに業者の危険性やバンコクでの生活の実際を知らせて過酷な児童労働を防ぐために、FCD(子ども発達財団)が発足した。このNGOで働きながら夜間中学校で学ぶジョン・ラックさん(17歳)も東北タイのスリン県出身で、自身も幼い時から働いてきた1人である。

 ジョンさんは小学校を卒業して、家に仕送りをするために13歳でバンコクに出てきた。同級生の半分位は都市へ働きに出ている。ジョンさんが最初に働いたのは10人以下の小さな縫製工場で、深夜の2、3時まで働かされ、休みは正月とソンクラーン祭りの時の年2回のみ、見習期間とのことで月収は1,000バーツ(約3,500円)。工場主はトビラを閉めて従業員を外に出したがらず、密閉された作業場は糸ぼこりがすごく、流れ作業の単純労働はひどく疲れた。

 ユニセフによると、タイで小学校を卒業して働いている子どもは推定で400万人。13歳未満の子どもの就労を禁止している建前から、12歳以下の児童労働の状況は把握されていないが、小学校へ行けない学齢期児童160万人の大半は就労しているとみられている。しかも、子どもの働く場が都市の工場から農村の小規模な下請作業所に移りつつあることが、児童労働を目につきにくくし、実態の把握を困難にしている。 ジョンさんはバンコクの工場で働いてきた体験から、今でもひどい条件で働く子や働きに出る可能性のある農村の貧しい子どもたちが、自己開発の機会を受け、子どもが自分の意見を言えるようになったり、状況を改善する力をつけることが必要で、そのために自分は働きたいと語る。

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