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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

タイ:大洪水被災地に「子どもに優しい空間」を設置

【2011年10月21日 タイ・バンコク発】

© UNICEF Thailand/2011
深刻な洪水被害に見舞われているアユタヤ

タイ中部で発生した大規模な洪水の影響を受け避難を余儀なくされている人々のために、ユニセフは、現地政府や様々な支援団体と協力して、避難センターの子どもたちの安全を確保するための支援活動を展開しています。

ユニセフは、初期費用として10万米ドル(300万バーツ)を確保。パートナー団体とともに、子どもたちが安心して遊べ、体系的な活動に参加できる場所を提供するための「子どもに優しい空間」を、特に子どもたちが多い避難所を中心に10箇所設置する予定です。子どもたちは、この「子どもに優しい空間」で絵を描いたり、工作したり、歌ったり、踊ったり、その他にも自宅から避難を強いられたストレスを緩和させるための様々な活動を行うことができます。「子どもに優しい空間」で活動しているスタッフは、子どもたちが必要に応じてソーシャルワーカーによる心理社会的なカウンセリングを受けさせられるように、深刻なストレスに苦しむ子どもを確認するための訓練も受けることになっています。

© UNICEF Thailand/2011
避難所で遊ぶ子どもたち。

また、地元のNGOと協力し、洪水の被害を受けたタイ中部10地域20箇所の避難センターで、子どもたちに日常的に接しているスタッフに対するトレーニングを実施します。社会人材開発省の関係者や地元NGOスタッフ、ボランティアの方々を対象とするこの研修では、子どもたちを様々な危険から守るための方策の改善や、虐待の予防や搾取からの保護、登録手続きの方法をはじめとする子どもたちが親や保護者と離れ離れになることを防ぐための訓練が提供されます。また、子どもの保護に関わる様々なメッセージを訴えるポスターやリーフレットといった資料が配布され、避難センターにも掲示されることになっています。

© UNICEF Thailand/2011

「『子どもに優しい空間』は、最も厳しい立場に立たされている子どもたちの早期回復と長期的な支援への“かけはし”として考えることができます。」「安全な状況を構築し、子どもに優しい環境を整えるためのこうした体系的な支援活動は、この数日から数週間で恐ろしい出来事を体験した子どもたちが立ち直るきっかけとして大きな助けになるはずです。」ユニセフ・タイ事務所で子どもの保護事業を担当するビクトリア・ジュアト部長はこのように話しました。

ユニセフは、先週から今週の初めにかけて、アユタヤにある3箇所の避難センターを訪問。また、今後数日中に、他の深刻な洪水被害を受けた中部地域を訪れ、避難所での生活を強いられている子どもたちや深刻な浸水地域にいまだに留まっている子どもたちの状況把握を進めることになっています。

© UNICEF Thailand/2011

ユニセフは、こうして把握した被災地の状況などを元に、洪水被災地の子どもたちとその家族の保護と福祉を確保するために実施すべき最優先事項について、タイ政府とパートナー団体と協議していく予定です。

また、ユニセフは、洪水被災地の家族向けに、洪水やその他の緊急事態の際に子どもたちの健康を守ることができる簡単で安価な方法が紹介されたパンフレットを2万部配布しています。パンフレットには、下痢性疾患やその他の水様性疾患を予防するために、頻繁な手洗いやペットボトルの水、あるいは煮沸した水を飲むようにするといった方法が紹介されています。

この洪水により、これまでに52名の子どもの死亡が報告されています。この大部分は、溺死と見られ、6-17歳までの男子が36名、女子は12名に上っています。

「溺死は、平時でも、この国の2歳から7歳までの子どもの最大の死亡原因となっています。」「親と子どもたちは、洪水が運んでくる水に警戒することが必要です。たとえ水が引いてきていても、急に増水することもあり、子どもたちが陥りやすい様々な危険が潜んでいるのです。」ユニセフ・タイ事務所の穂積智夫代表はこのように話しました。

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