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ウガンダ: 悲しい過去を忘れさせてくれるスポーツ【2008年9月29日 ウガンダ発】
長年にわたって続いたウガンダ北部での武力紛争。学校は休校し、村人たちは住む場所を追われ、各地の避難民キャンプに散らばってしまいました。そんな中、リラと呼ばれる地域に最近再び平穏が訪れはじめました。何かあれば、すぐまた崩れてしまいそうな「脆弱な」平和ですが、人々は、生まれ育った家や、かつて通っていた学校に戻り始めています。 しかしながら、多くの子どもたちは、紛争による深刻な影響を受けてきました。中には、武装集団に拉致され、武力紛争に参加させられた子どもたちもいます。子どもたちが「子どもらしい」生活を取り戻すことは、易しいことではありません。 「この子どもたちの人生はズタズタにされました。」と、国際NGOスタッフのエドウィン・オドゥル・ルルさんは話します。「今、子どもたちに必要なものは、コミュニティに復帰し、家族の生活を取り戻せるようにするための心のケアです。」 リハビリセンターとしての学校
サムエル・オピドくん(14歳)は、10人の兄妹と、避難民キャンプでの生活を4年間過ごしました。アンゴルコム小学校の教室で、サムエル君は、避難民キャンプで起こったたくさんの恐ろしい出来事——火事、病気、人々が亡くなっていくこと——について話してくれました。その中には、サムエル君が話すことができなくなってしまうような話もありました。 しかし、今、サムエルくんをはじめとするこの地域の何千人もの子どもたちを対象に、学校で様々なゲームやスポーツの大会が開催されています。学校は、さながらコミュニティのリハビリセンターとしての役割を果たしています。こうした活動は、様々な問題を非暴力的に解決する「文化」を育て、親と学校の間に強いつながりを築いています。 「スポーツは、子どもたちが過去の出来事を忘れ、子どもたちだけではなく、我々コミュニティに住む全ての人々が、彼らの『今』と『未来』を考えることを助けてくれます。」アンゴロコム小学校に通う二人の子どもを持つアレックス・オチェエンさんは、こう話しました。 未来に向かってこうした活動を支援するため、ユニセフは、リラにある50の小学校で、サッカーやバスケットボール、バレーボールなどのスポーツの普及を図っています。こうした支援を通じて、子どもたちが学校に戻り、普段の生活を取り戻し始めています。 サミムエルくんは、スポーツやゲームを通じて、新しい友人ができ、前向きな考えを持てるようになり、学校で楽しく過ごせるようになったといいます。 スポーツの力を借りて、リラの子どもたちのみならず、親やコミュニティの人々が、悲しい過去を乗り越えています。 |