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≪2003年1月15日掲載≫ ヨード添加塩工場を夫婦で設立
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焜Jラカルパクスタンでヨード添加塩を生産すると、労働力が安いのでほどほどの生産コストで済みます。ほかに、ユニセフからはヨード添加用の機械を支援してもらっていますから、塩のほうもそれなりの値段で提供できるんです」パッケージ用の機械を持っていないので、タシュケントの業者に大袋で売って、1キロパックに詰め直しています。
焉u私は1キロ20スム未満で売りますが、そのうち10倍の値段になり、タシュケントでは250倍にもなります」自動パッケージング機械を手に入れるには5,000米ドルが必要とオイムコンは言います。当面はプラスチックのパックと手動式封入機ですませようと思っています。「パックのデザインは、政府がヨード添加塩の新しい基準を作るみたいなので、ようすを見ています。少し待てば、お金を大分節約できますからね」とオイムコン。「小さなパックを売ることができれば、利益率はよくなります」
烽オかし、問題になるのは利益ばかりではありません。妻は学術的な知識もあるので、ヨード欠乏症のことは知っていました。「ユニセフがタシュケントで製塩業者を集めて開いた会議で、ヨード欠乏症が、妊娠中の子どもの知的発達まで影響を与えることを再認識させられました」
焜Iイムコンは、現在デザイン中のパッケージを指差しながら説明します。印刷されているのは地元の言語です。「ヨード添加塩をもっと理解してもらおうと思って、ヨード添加塩をとらないと生まれてくる子どもが知的にも身体的にも発達が遅れる可能性があると表記してみました。それに、お客さまに塩の品質について、知ってほしい情報も盛り込みました」
烽サれでも、低所得世帯はヨード添加塩ではない塩を買ってしまうのだ、とカディルクロフ夫妻は言います。「免許がないまま営業している会社がたくさんあり、こうした会社は保健衛生の規制にものっとらずに営業しているんです。塩は汚いし、ヨードも添加されていない。でも1パック10スム未満という安さです。ヨード添加塩はその5倍はしますから」
烽セからこそ、食卓用のヨード添加塩の製造や販売には規制が必要だと考えているのです。「製塩業者の集まりでは、ヨード添加塩の法案も見直しました。1点、1点見直して、合意をとりつけました」とオイムコン。「製塩業者の協会を作ろうと思っているところです。協会ができれば、法律の通過を早めるために政府とやりとりをしたり、製塩業者全体のために動くこともできます」
工場のレベルを上げるには、まだまだ投資をしなければなりません。まずは、駐車場をアスファルト敷きにして、衛生的にしなければなりませんし、工場をフル稼働させるために、もっと効率のいい電力供給システムに変えなければなりません。工場の拡張の話も出ています。150キロ先の塩採取場から塩をトラックではなく、機関車で運ぶ計画です。そのうち、海外の投資家と組んでジョイント・ベンチャーで工場を拡大して行こうと思っています」
熾v妻は役割分担を決めました。「研究開発は妻が担当。専門家でもあるし、ボスでもある」にやりと笑いながらサイドが言います。「そのほか、工場がうまく機能するように面倒を見るのが私の仕事です」
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002年10月24、25日の2日間、ウズベキスタンのヨード添加塩問題を話し合うために、国中の18の製塩業者、医学専門家たち、そして保健省とその関係機関からの政府関係者たち50人以上が集まりました。国の製塩業者を集めた初めての会合で、ユニセフとADB(アジア開発銀行)が共同で開催したものです。
日にわたった会合の内容ですが、最初の日は「ヨード添加塩を全世帯に(USI)」とヨード欠乏症の説明、脳の発達についての講義が行われました。USIに向けて、ウズベキスタンがどのような努力をしているかを学び、ヨード添加についての技術的なこと、USI達成のためにほかの国ではどのような努力がなされているのか、などを学びました。2日目は、ヨード欠乏症やUSIについての法案のドラフトを見直し、製塩業者で協会を組織する話なども出ました。
煢№ナは、塩のヨード添加レベルをWHO(世界保健機構)とユニセフの推奨値でもあり、ほかの国での実践値でもある40+/-15mg/kgppmに増やすことを薦めることにしました。ただ、製塩業者協会の組織化までにはいたりませんでした。それでも、製塩業者たちは満足げに会合を終えました。協会を早い時期に組織することで合意し、2003年1月にはまた会合を持つことになっています。ウズベキスタンのUSIを広めていくために、団体としてひとつの声を上げるほうが効果的だと考えているのです。
タシケント2002年12月28日
ルパ・ジョシ(ユニセフ・タシュケント広報官)