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ウズベキスタン:子どもの総合的な発達を促す幼稚園【2012年2月2日 ウズベキスタン・ブラハ発】
ウズベキスタンのブハラにある第11幼稚園では、音楽と笑い声が響いていました。 ディロロム・サマドバ園長先生が、最近修繕を終えたばかりの真新しいこの幼稚園を案内してくださいました。教室の壁は美しく装飾され、床にはカーペットが敷き詰められています。ハエや埃も、カーテンが防いでいます。 「こちらの屋外スペースは、子どもたちが外で遊べるように、特に子どもたちのために考えて造られました。」「ここは、朝、保護者の方々が子どもたちを連れて来られた時、子どもたちが、その日一日の活動を先生と一緒に決められる場所なのです。」サマドバ園長先生は、こう話しました。 子どもの最善の利益を確保するため、この幼稚園は、ユニセフの支援を受けて、子どもに優しいアプローチによる教育法を採用。安全で全ての子どもたちが平等に参加できる環境を整えることを目指しています。 こうした変革が成された結果、この幼稚園に通う子どもたちの数は、18名から100名以上に急増しました。 コミュニティの努力
第11幼稚園は、コミュニティの努力の賜物です。地域の人々は、廃校となっていたぼろぼろの幼稚園を一新させ、新しい本やおもちゃを用意しただけでなく、保護者自らが、子ども用の家具も作りました。 この幼稚園を見学したグルチェーラ・ボルタエバ女性問題担当副大臣は、次のように語りました。 「女性グループが、このコミュニティの活動で中心的な役割を果たしてきました。」「保護者の方々は、ここで行われている様々な活動に刺激を受けています。時間とお金をかけてでも、このセンターに子どもたちを通わせたいと思うようになっているのです。」 幼稚園がスタートした後も、保護者の方々は重要な役割を果たしています。その協力は、授業運営にも及び、時に、保護者の方々が、音楽やダンスの授業で楽器を演奏することもあります。 ディルフザ・ブルクハノバさんは、サルビノズちゃん(6歳)とサヨラちゃん(3歳)の二人の娘を、この幼稚園に通わせています。 「ここには色々な活動がたくさんあることを知って、子どもたちをこの幼稚園に通わせることを決めました。ロシア語や図画、体育の時間もあるんですよ。」ブルクハノバさんは、娘たちが、以前よりも近所の子どもたちと仲良く遊べるようになったと話しました。 低い就学率の問題への取り組みウズベキスタンでは、幼児教育課程の就学率は、依然として低い状態です。3歳から5歳未満の子どもたちの就学率は、20パーセント未満に過ぎません。しかしながら、子どもに優しいアプローチによる教育法は、幼稚園などを楽しい場所に変え、この低就学率問題の改善への“妙薬”にもなり得るのです。 様々な形で幼い子どもたちの興味を惹く工夫が施された第11幼稚園の教育アプローチは、かつて主流であった旧ソ連の教育アプローチとは一線を画しています。 「子どもたちが静かに座り、ただ先生の言うことに従うことが最もよい振る舞いとされていました。」以前の教育方法について、ユニセフのエレオノラ・ファイズァエヴァ早期幼児開発担当官は、このように話しました。「今、先生方は、子どもたちの指示に従わなければなりません。」 ユニセフ・ウズベキスタン事務所のマリリン・ホア教育担当部長は、さらに次のように付け加えました。「机に座っている小さな子どもたちを連れ出して、遊びを通した学習や楽しみながら勉強してもらっています。こうした活動によって、社会的な、また情緒的な発達にも繋がっていくのです。」 自由と自立ウズベキスタンの首都タシュケントにある幼稚園でも、子どもに優しい教育法が取り入れられています。 ムクヒリサ・クホドジムクハちゃん(3歳)は、おもちゃの台所で友だちといっしょにままごと遊びに忙しくしていました。ムクヒリサちゃんは、この遊びが大好きです。そして、彼女がこの遊びをすることを先生たちが許してくれていることを喜んでいます。 バルノ・エルガシェバ先生は、子どもたちだけでなく、先生方も“豊か”にする現在の幼稚園の活動方針を、次のように説明してくれました。 「自由で自立していることが、子どもたちにとって大切なのです。」(エルガシェバ先生) |