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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち

ジンバブエ:水と保健分野のサービス崩壊で、500人以上がコレラにより死亡

【2008年12月3日 ニューヨーク発】

© UNICEF Zimbabwe/2008
深刻な栄養不良のために、ハラレの病院で治療を受けている2歳の子どもとその母親。栄養不良などが原因で体力や抵抗力のない子どもたちがコレラなどの感染症の犠牲になりやすくなっている。ユニセフは、栄養補助食品の配布、保健員の研修などを行っている。

ジンバブエは、近年最悪のコレラ流行に襲われています。ジンバブエ全土で、1万2,000件以上のコレラ発症件数が報告されており、これまでのところ、565人が命を落としています。

「この流行は、私たちが対処しきれないほどのペースになっています」と、ユニセフ・ジンバブエ事務所のツィーツィ・シンギジ広報官は言います。「かなりの勢いで広がっており、10州のうち9州で、コレラの発症が報告されています。」

ユニセフは、この影響を受けているコミュニティに、緊急コレラキットはもとより、緊急に給水を行ったり、コレラ治療センターへの支援、給水車へのガソリン提供なども行っています。

「火があがったらそれを消しに行く。まるで消火活動をおこなっているかのようです」と、シンギジ広報官。自国内で治療を受けられないために、隣国の南アフリカへ、治療を受けに行く人もいます。

インフラの崩壊

ジンバブエの人々は、既に、恐ろしいほどのインフレ、食糧不足、社会サービス——特に、教育と保健分野——の着実な低下に苦しんでいます。今、この国は、コレラのような病気の予防と治療に必要なインフラが、完全に崩壊し、危機的な状態に直面しているのです。

「安全な飲料水を提供したり、ゴミを集めたりする地方自治体のサービスと水関係を担当する部局が、概ね機能していません。」シンギジ広報官は話します。「同時に、保健サービスが崩壊しています。こうした状況では、病気に感染した多くの人々を治療することができません。」

ユニセフ・ジンバブエ事務所の対応

© UNICEF Zimbabwe/2008/ Pirrozzi
現在、ジンバブエはさまざまな混乱を抱えており、保健サービス、教育などにもその影響が現れ、子どもたちへの直接的・間接的影響が懸念されている。写真は、深刻な栄養不良に苦しむ女の子。すぐに食べられる栄養補助食品のひとつPlumpy’nuts®=プランピー・ナッツを食べ、現在順調に回復している。

ユニセフは、ジンバブエの子どもたちへの支援活動強化のために、120日間の緊急非常事態対応宣言を出しました。ユニセフは、保健のアウトリーチ・サービスの拡大を行い、栄養不良児のために栄養補給剤を提供、学校の出席率の引き上げに努力し、短期的に、安全な飲料水へのアクセスを拡大する予定です。

現在、ユニセフは首都ハラレに、一日36万リットルの水をトラック輸送しています。また、パートナーと共に、石鹸、ゴム手袋、浄水剤などの必須支援物資も提供しています。コレラの流行を防止するため、啓発キャンペーンも始められました。

根本的要因への対応

「これは、システムが崩壊している兆候です」と、シンギジ広報官は指摘します。「私たちは、全ての関係者に、コレラが発生し、流行した根本的な問題の解決——水供給システムや下水システムのきちんとしたたて直しなど——への努力を求めています。

現在、ジンバブエで頻発している感染症などの流行を防ぐべく、持続可能な解決方法にたどりつけるよう、ユニセフは、地元政府や水を担当する省庁と定期的に話し合い、助言を行っています。

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