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財団法人日本ユニセフ協会
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世界の子どもたち

ジンバブエから避難してきた子どもたちをユニセフが支援

【2009年3月2日 南アフリカ発】

ユニセフは、たくさんのジンバブエの子どもたちを受け入れている南アフリカの学校が直面している厳しい状況に対処するべく活動している。
© UNICEF South Africa/2009/Hearfield
ユニセフは、たくさんのジンバブエの子どもたちを受け入れている南アフリカの学校が直面している厳しい状況に対処するべく活動している。

ギフト・ドゥベ君(仮名)は11歳の時、父親が家を出て行き、母親を亡くしました。それから6年経過しましたが、ギフト君はいまだにひとりで南アフリカ国境近くの町ムシナで暮らしています。ジンバブエでは、経済危機とコレラの流行により大規模な人口移動が起きており、ジンバブエの何千人もの人々がムシナに流れ込んできました。

ギフト君は、親や保護者のいない他の子どもたちと共に町の路上をさまよい、何とか生き延びてきました。ギフト君は、夜にお腹をすかせることのないもっと安定した生活に憧れています。

「僕の望みは、ごはんを食べて、学校に行くことです」と、ギフト君は話します。「それから、お母さんに会いたいです。」

親や保護者のいない子どもたち

ジンバブエから南アフリカへ行くことは、不法入国の危険性を伴います。多くの子どもたち、特に女の子たちは、バスやトラックの運転手、人身売買を行う人たちによって不法に入国させられている場合もあります。

コミュニィテを基盤として活動しているユニセフのパートナー団体によると、南アフリカに逃れてくる人の中には、5歳の子どももいるということです。こうした子どもたちは、自分より年長の友達、あるいは家族の誰かと一緒ですが、途中で離れ離れになり、自分の力だけでなんとかやっていかなければならない状況に置かれることもあります。このような親や保護者のいない子どもたちは、たいてい公的な書類を持っておらず、避難所へ加入することが難しいのです。

ムシナにたどり着いた子どもたちは、避難所を探している他の何千人もの人々と同じく、町の中心部にあるほこりだらけの「広場」に集まります。人々は、屋外に野宿し、雨風に晒され、飲料水も衛生施設も無い場所での生活を強いられています。ここで、人々は、南アフリカ政府からの正式な滞在許可を待っているのです。

しかしながら、避難所は、決して今後の安定を約束する場所ではありません。多くの子どもたちは、国外追放を恐れ、地元の政府関係者との接触を避けているのです。

ムシナの子どもたちの保護
幼い子どもと母親に話しかけるアン・ベネマンユニセフ事務局長。
© UNICEF SOUTH AFRICA/2009/Williams
2009年1月、南アフリカの国境の町ムシナにある「広場」を訪れ、幼い子どもと母親に話しかけるアン・ベネマンユニセフ事務局長。

ユニセフは、1,000人から2,000人もの支援が必要な子どもたちがムシナにいると推定しています。また、親や保護者のいない未成年者を守るため、子どもの保護専門家も活動しています。

「ユニセフは、女の子の保護ついて特に懸念しています。」ユニセフ・南アフリカ事務所のステファン・ブライト 子どもの保護担当官は話します。「多くの子どもたちが虐待の危険に晒されています。特に家族がいない子どもたちや必要な書類を持たない子どもたちが、搾取の危険に晒されやすくなっています。」

こうした子どもたちを守るため、ユニセフは必要な書類の作成と、移民登録手続きを進めるための活動を強化しています。パートナーと協力して、ムシナとその周辺に、子どもに優しく、子どもの世話が出来る人のいる13の臨時保護センターを設立しています。

さらに、ユニセフは、教育を受ける機会を求めていた約100人のジンバブエの子どもたちを受け入れたボンワ-ウディ小学校のような、児童・生徒が溢れている学校への支援も実施しています。ユニセフは、教室までたどり着けない子どもたちのために、移動式の教室も提供しています。

ユニセフは、ギフト君のような非常に弱い立場の子どもたちが、わずかでも希望を抱くことができるよう活動を続けています。

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