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財団法人日本ユニセフ協会

世界の子どもたち 緊急支援情報

緊急支援情報

インド地震緊急募金の受付けを終了しました。
皆様の多大なご支援に感謝申し上げます

2001年

※受付は終了しました※

地震直後に生まれた赤ちゃん 「インド地震緊急募金」の受付は2002年2月1日をもって終了致しました。2001年1月の地震直後から2002年2月までに多くの皆様から温かいご支援を頂きました。ここに深く感謝申し上げますとともに、この1年にわたる子ども達の状況、現地での活動をご報告致します。

概況

 2001年1月26日の朝、インド西部グジャラート州を大規模な地震が襲いました。2万人以上が死亡、16万6800人が負傷した他、1万2000以上の学校、800以上の幼児発達センター、多くの保健センターが深刻な被害に遭いました。その結果、500万人を超える子どもと女性がこの地震によって身体的、心理的な影響を受けました。

" 長い間、私はただ泣きつづけました。毎晩アパートに閉じ込められる夢を見ます。健康状態は、日増しに悪くなっていきました。そして、私の娘はこう言うのです。「もしも、お母さんが病気になってどこかに行ってしまったら、今度地震があった時、誰が私を助けてくれるの?」と。"

— 小学校の先生であるジョティも地震によるトラウマに苦しめられた —

このような状況の中、ユニセフは地震直後の2001年1月から4月まで緊急援助に1100万ドル、5月から12月まで復興支援に1600万ドルをあてました。その多くは教育(校舎の修復を含む)や保健、栄養に関するプログラム、生活必需品の提供、安全な水の確保などに使われました。
また、2002年には、心理的ケア、教育、保健・栄養などを中心に150万ドルをあてています。

グラフ:インド地震募金の用途
ユニセフの活動記録

壊れた瓦礫の中からカメラを見つめる少年  ユニセフは、地震直後48時間以内に緊急支援活動を開始し、この1年間子どもと女性の保護を最優先に活動を進めてきました。

ユニセフの活動記録
 ユニセフは、地震直後48時間以内に緊急支援活動を開始し、この1年間子どもと女性の保護を最優先に活動を進めてきました。

地震直後

  • 避難施設のテント用シート5万セット
  • 毛布7万5000枚
  • 避難家族のための救急キット5万6千個
  • 浄水剤20万錠
  • 調理用具セット1万2千個
  • 給水タンク500個
  • 医療品、薬、経口補水塩、仮設トイレ等

このような救援物資の提供のほか、2月に入ってからはインド政府や他の国際機関、NGO等とともに、40万の子どもを対象としたはしかの予防注射やビタミンAのキャンペーンを実施しました。

緊急・復興支援

施設の修復

被災地の修復作業 子ども達に安全な場所を確保するために一刻も早い学校の再開を目的として、ユニセフは小学校の再建に力を入れました。新しい学校は"子どもにやさしい"構造となっており、それぞれの教室は天井が高いため明るく、耐久性のある作りとなっています。校舎や教室の中は子ども達の好きな色に塗られています。小学校のほか、保健と栄養、子どもの保護のため保健センターや子ども発達センターの再建にも力を入れました。

修復事業の前進
  保健
センター
子ども
発達センター
学校
トイレ
水供給
ポンプ場
12月までに修復された数
47
44
20(58教室)
1304
1304
教育

 地震で破壊された学校や子ども発達センターの修複作業にあわせて、ユニセフは政府に対し学校の早期再開を最優先に呼びかけました。子どもにとって教室は単なる勉強の場でなく、安心感を感じたり、平常心を保てる空間です。6月14日には学校が再開され、現在では40万人以上の子ども達が2000以上のテントで行われている簡易学校や、完全に修復された学校へと戻りました。地震後5ヶ月以内にそれぞれの子ども達に鉛筆やノートの入った教育セットや、音楽やゲームの入ったレクリエーションセットを配布しました。

グラフ:ディワリ地区での小学校の再開
保健・栄養

被災地での予防接種 2001年末迄に全ての子どもに健康診断を実施し、問題の見つかった子どもにはその後治療を継続しています。5月には、5万人の妊婦を対象に破傷風の予防接種と鉄分補給錠剤の配布を行いました。12月20日からは、ポリオの予防接種も全国各地で開始しました。
各地の幼児センター、保健センターで子どもの発育観察を行った結果、国際的な支援活動により今回の地震を原因とする栄養不良の蔓延は回避されたことが分かりました。

安全な水の確保・衛生

小学校で水が出るようになった地震後、水不足による被害が心配されましたが、ユニセフはインド政府、他の国際機関、NGO等と協力し、浄水剤、給水タンクなどを各村に配布しました。また、地方の女性組織を対象に継続的な水の管理法や、農業における雨水の効果的な利用法についてセミナーを実施することで、地域レベルで安全な水を継続的に確保できるよう支援しています。現在では97%の家庭で50リットルの安全な飲み水を入手できるようになり、60%の学校、50%の幼児センターにも飲料水が供給されています。また、インド政府による給水政策の立案や、地域による環境保護のためのワークショップ開催に協力しています。

子どもの保護

写真地震は、子どもの心に深い傷を与えます。特に家族を失った子ども達にとっては忘れられない出来事であり、その後の発達にも悪影響を及ぼす恐れがあります。
ユニセフは子ども達が1日でも早く元の生活に戻れるように、カウンセラーの養成に力を入れました。
1400人以上の教員や250人のNGOのボランティアを対象に、絵画、歌、ダンスなどを通じた心理ケアの研修を行いました。
結果として7000以上の学校、12万4000人の子ども、2500人の教員がこの研修を受けました。


地震から一年、今被災地の子どもたちは?

写真 2002年1月26日、今年の共和国記念日には歌もパレードもありませんでした。子どもたちを含め、住民は静かに一年前の地震の被害者に祈りを捧げ、よりよい未来のため願いを込めました。現在のユニセフの活動は、復興支援から通常の保健と栄養、基礎教育、水と衛生のプログラムへと移行しています。今後の目標は以下の通りです。
●より効果的な状況改善のため、学校や子どもセンターを地域レベルで機能させる為のサポート
●3歳未満の乳幼児の栄養不良の数を減らすこと
●地域レベルの給水システムや衛生状況の改善
●両親をなくした子どもの保護


 グジャラート州を中心に実施しているユニセフによる緊急・復興支援事業は、これまでに大きな成果を上げています。多くの皆様のご協力に、心より感謝申し上げます。

お問合せ:(財)日本ユニセフ協会 協力事業部
TEL:03-5789-2012

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