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東日本大震災緊急募金 第121報
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完成した仮設園舎。 |
14日朝、福島県内で建設を進めてきた「三宝保育園」の仮設園舎の供用が開始されました。日本ユニセフ協会は、東日本大震災被災地支援の中の未就学児に対する支援の柱の一つとして、岩手、宮城、福島各県の自治体の要請を受け、保育園や幼稚園等の仮設園舎の建設や大規模修繕の支援を展開。いわき市「三宝保育園」も支援してきました。
いわき市「三宝保育園」は、地震によって園舎が大きなダメージを受け、行政からも「使用不可」との判定を受けました。震災直後の3月末時点では、園の再開を求める園児(の家庭)は僅か2名に留まっていましたが、同園は、「使用不可」とされた園舎の中でも被害の少なかった部屋に子どもたちを集め、3月27日、保育を再開。仮設園舎建設に対する行政からの支援の目処が立たない中、ホームページで岩手県の大槌保育園の再開支援のニュースを御覧になった同園理事が、日本ユニセフ協会に支援の可能性を打診。私立の施設ではありますが、市の未就学児の福祉環境の維持のためには、同園の活動の継続が必要とのいわき市からの意見もあり、日本ユニセフ協会として支援を実施しました。
旧園舎の基礎部分に入った亀裂。 |
現在、この保育園に通う子どもたちは94名(11月7日現在。震災前は120名以上)ですが、いわき市には、避難地域からの住民の流入が続いており、入園希望者は今後も増えると見込まれています。
園長の阿部美知子先生は、「余震が続くなか、保育を続けていましたが、柱のヒビも余震の度に広がり、非常に不安な日々を過ごしていました。一刻も早く仮設園舎が建つことを、保護者の方々とともに心から望んでいました。安心して預けることができると、お母様方も喜んでいます」と、新しい園舎での保育再開の喜びを話しました。
「今日から新しいところだよ」とはしゃぐ子どもたち。 |
副主任の盛克枝先生は、今後について「仮設園舎は広くて明るいと、子どもたちはとても喜んでいます。これまで楽しみにしていた行事を中止せざるを得ない状況もありましが、この仮園舎で、外で自由に遊べない分、もっと子どもたちに活動させる機会や、保護者や地域と一緒に楽しめる機会を作れれば」と、今後の活動への期待も語りました。
登園する子どもたちは、「今日からは、あたらしいところだよ」と子ども同士で声をかけあい、「たくさん友達と遊ぶのが楽しみ」とはしゃぐ姿が見られました。
仮設園内で行われたおゆうぎの発表会では、子どもたちの歌やダンスが披露されました。 「あたらしい園舎ができました。ありがとうの気持ちをわすれずに、たくさん遊んでください」と先生が話すと、子どもたちの元気な返事が園内いっぱいに響きわたりました。
新しい園舎からはじめてのお出掛け。 | 新たな園舎ではじまった保育活動。 | 「みなさんありがとう!」 |
写真クレジット全て:© 日本ユニセフ協会