津波によって、タイ南東部沿岸一帯が壊滅的に破壊されたことにより、5,395人が亡くなり、2,932人が行方不明となりました。現在、約3千人が未だに仮設避難所で暮らしています。
ユニセフとそのパートナーの支援によって、津波直後の住居・食物・水・保健に関するニーズは満たされました。道路などのインフラの復興も数日の間に開始されました。緊急支援は継続していますが、現在ユニセフは、長期的な復興とHIV/AIDSの予防に焦点を当てています。
水と衛生
浄水装置等の物資の提供や、トイレと下水システムの改修と建設などにより、約9,000人がユニセフの支援を受けました。これらの支援によって被災者の間に汚水を原因とする疫病の発生を防ぐことができました。
子どもの保護
ユニセフは15万人に子どものケアに関するオリエンテーションと研修を行いました。児童心理の専門家やソーシャルワーカーが、被災地域の学校やコミュニティを訪問し、教師や親が、子どもたちの悲しみの感情に対処できるよう手助けをする研修を実施しました。学校や子ども発達センターにいる100,500人の子どもたちがスポーツ用品やおもちゃを提供されました。約1500人の教師・ソーシャルワーカー・カウンセラーが心理社会活動の研修を受けました。
学校へ戻ろう
ユニセフとタイ政府、その他のパートナーの努力により、被災地に住む75%以上の子どもたちが津波発生後2週間以内に学校へ戻ることが出来ました。この数には、津波で両親を失った子どもたちをも含まれています。ユニセフは、被害を受けた12の校舎の緊急改修、緊急助成金、制服、学校用品、交通手段の提供を行いました。津波から一ヵ月の間に学校へ登校できなかった25%の子どもに関しては、恐怖がその理由だと伝えられています。この問題に関しては、学校や教師が適切に関与することに焦点をあてた心理社会的回復プログラムの普及によって対応されている状況です。現在の就学率は85%となっています。
課題
- 少数民族や移民労働者など特定のグループの人々とその家族への支援に伴う障害を減らすことが、現在進行中の課題です。
- 災害の前から、保健と教育面に関しての対応に遅れをとっている子どもたちがいました。そのような子どもたちの状況を改善することが、津波後の対策に関する高い優先事項です。
災害前よりも更に良い状態へ
HIV/エイズの拡大はタイの深刻な問題です。津波で日常生活を失った個人や家族が、代替の収入源を求めて性産業に従事するために、危険要因は増加しています。ユニセフは、避難キャンプや被災地域のコミュニティに住む若者への予防サービス活動を支援しています。青年ボランティアのネットワーク作り、少数民族やその他の社会的弱者の情報へのアクセス拡大、カウンセリングと検査サービスにも力を入れています。
(「子どもとエイズ」世界キャンペーンについてもっと知りたい方は、こちらをご覧下さい)
支出の内訳
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