ミャンマーでは、津波によって特に漁師やその家族が打撃を受けました。多くの人が船と日常生活を失いました。移住先の場所では清潔な水が依然不足し、保健制度が崩壊したままのところもあります。
ユニセフと地域のパートナーの協力によって、大きな疫病の発生はありませんでした。しかし、初等教育就学率が落ち込んだコミュニティもあります。また、被災地域で子どもの搾取と人身売買の危険が増加しているという事例報告があり、ユニセフの大きな懸念事項となっています。
子どもの保護
ユニセフは、128,544人の女性と子どもに64,272枚の殺虫処理を施した蚊帳を提供すると共に、129,000のマラリア簡易検査キットとマラリア対策の薬を配布しました。又、沿岸部へ53の必須医薬品を配布しました。子どもたちの栄養状態をモニターするために、570の体重測定センターの運営も支援しています。
水と衛生
ユニセフの支援を通して、18,000人が安全な水が再び使えるようにになり、3,380人が改善されたトイレを使えるようになりました。ユニセフは今後も継続して、太陽電池式の水ポンプの提供や、需要に対する評価を実施し、追加措置を推奨された100のコミュニティーでの、清潔な水の利用手段を普及させるための既存のシステム改善を支援していきます。
子どもの保護
子どものためのおもちゃ、お絵かき帳、鉛筆、その他の学習用具が入った約2,100のキットが、津波からの精神的回復を支援する目的で、家族やコミュニティに配布されました。
学校へ戻ろう
ユニセフは、215の学校を改修し、73,240人の生徒へ教科書・練習帳・通学かばん・鉛筆を配布しました。その他1,200の学校が物資の支援を受け、その内550校はいすと机を提供されました。2,387人の教師と校長が、子どもを中心とした学習法についての研修を受けました。
課題
- 津波後、多くの人々が内陸に移動したので、保健・水・衛生といった基本的な社会サービスへのアクセスがますます困難になっています。
- 子どもたちを学校に留めておくことは依然大きな課題です。通常、学年が進むにつれて中退率が増加するからです。
- 心理的トラウマと虐待、搾取の間には直接的な関係があると考えられます。この現象を理解するには更なる調査が必要です。
- 新たな格差を生み出さないためには、津波の被害を受けた地域の家族とその他の地域に住む困難な状況におかれた家族の間に、今回の支援によって更に大きな格差ができないように配慮が必要です。
災害前よりも更に良い状態へ
ミャンマーの津波被災地におけるユニセフの主な活動目標は、津波前の生活を再開できるようにするだけにとどまらず、津波前よりも質の高い社会サービスを提供することです。そのためユニセフは、マラリアの予防と治療に関する支援強化、コミュニティと密接に協力した水と衛生システムを改善、教育者やPTAと協力して子どもたちを継続的に通学させること、地域に根付いた子どもの保護メカニズム強化支援をしています。
支出の内訳
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