スマトラ沖地震・津波情報
ユニセフ救援活動費用: 当初の2倍、8159万ドル(約84億円)を見込む 〜ユニセフ・ベラミー事務局長、スリランカ、インドネシアへ〜 (第9報)
スマトラ沖地震・津波発生から1週間。これまでに、アジア・アフリカで13万5,000人以上が死亡。インドネシアとスリランカだけで100万人以上が避難生活を余儀なくされています。こうした被災各地の被害状況が明らかになり、救援活動の範囲が広がり多様化する中で、ユニセフは、当面の救援活動費用として当初予想していた金額の2倍、8,159万米ドルあまり(約84億円)が必要になると発表。国際社会から一層の支援を求めています。
発表された救援活動費用の内訳は以下のとおり。 |
インドネシア | : | 30,912,000米ドル(約31億8000万円) |
スリランカ | : | 25,032,000米ドル(約25億8000万円) |
モルディブ | : | 16,436,000米ドル(約16億9000万円) |
タイ | : | 2,716,000米ドル(約2億8000万円) |
その他の地域 | : | 6,496,000米ドル(約6億7000万円) |
注:今回発表された費用には、地震発生以来、被災各地の救援活動に既に充てられている費用も含まれています。また、今後現地状況が更に明らかになるに従い、活動内容も逐次見直され、金額も更新されます。
[ユニセフ事務局長キャロル・ベラミー、被災国訪問]
ユニセフ事務局長キャロル・ベラミーは、現地時間2日朝からスリランカを訪問。被災地の被害状況やユニセフ等の救援活動の視察後、現地時間3日夕刻、コロンボで記者会見。同日夜には、今回最大の被害を受けたインドネシアに向かう予定です。
スリランカでは、被災地域が北部のジャフナから南部の観光地にかけての東海岸線の広範な地域にわたっており、公式発表で90万人以上が781カ所の避難所で厳しい生活を強いられています。現地時間1日には、スリランカ東部で洪水が発生。新たに1万4000人が避難。避難所15カ所も洪水の被害に遭いました。
また、長年続いた内戦で残された地雷が津波・洪水によって流されて所在が分からなくなっており、人々の生活を脅かしています。
ユニセフは、ケガ人や津波発生後1週間たっても未だ各地に放置されたままになっている遺体を病院へ搬送し、被災各地の被害状況を調査する一方、各避難所等に救援物資を送っています。これまでに飲料水用ボトル10万本、ベッド用シーツ1万枚、タオル、簡易食事セット、15万人分の緊急医療キット、衣料品などを提供しました。
避難所の一部では、女性避難民に対するレイプの発生も報告されています。ユニセフは、地元自治体、警察、地域組織と協力。避難所内に警官を常時配置する等の対策を講じています。
ベラミー事務局長の次の訪問地インドネシアでは、身元や保護者の有無の確認が行われないまま、アチェから多くの「孤児」と称される子ども達が連れ出されはじめており、ユニセフは、インドネシア政府とともに「警告」を発するとともに、その対策を講じ始めています。インドネシア社会福祉省などによると、これまでに400人近くがアチェからジャカルタに連れてこられ、「里親」を申し出た人々や「親戚」を名乗る人々などに「引き取られ」たりモスクなどで保護されていると報告されています。ユニセフは、インドネシア政府や地元NGOなどと、被災地で保護者から離れ離れになっている子どもの発見・登録やサポートセンターの開設を始めています。
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