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財団法人日本ユニセフ協会




 

スマトラ沖地震・津波情報

ユニセフ、「子ども最優先」を訴える…スマトラ沖大地震緊急首脳会議
(第13報)

【ジャカルタ発、2005年1月6日】

15万人以上の犠牲者を出したスマトラ沖地震・津波による被害の復興支援策を協議するための緊急首脳会議が、今日インドネシアの首都ジャカルタで開幕しました。ユニセフはこの場で、被害を受けた子どもたちを支援するための優先事項4項目を発表し、国際社会による復興支援の柱とするよう訴えました。当面の緊急支援の段階において子どもの特別なニーズに配慮することにより、コミュニティに復興への希望を贈るとともに、各被災国の復興・再建に向けた努力を長期的に成功へと導くことができます。

ユニセフは、子どものための最優先事項として、以下の4項目を訴えています。

1. 子どもの生存
清潔で安全な水、適切な衛生設備、基礎的な栄養の摂取、そして医療ケアの確保に重点を置いて、子どもの命を守ること。これらはごく基礎的なことばかりですが、どんなに強調してもしすぎることはありません。何十万人もの子どもたちにとって、特に5歳未満の乳幼児と、アクセスが困難な遠隔地に取り残された子どもたちにとって、まず生きのびることが第一の難問となっています。

2. 家族の再会
保護者と離れ離れになってしまった子どもを見つけ出し、親やきょうだい、親類縁者との再会を実現すること、そして生まれ育ったコミュニティに戻してあげること——緊急支援のすべての局面において、この課題を優先させなければなりません。長期的なケアという点においては、何を差し置いても、まず子どもたちの身元を明らかにし、家族との再会を果たすためにあらゆる努力を払わなければなりません。

3. 搾取からの保護
津波の被害を受けた地域では、家族がばらばらに引き裂かれ、生計手段が失われ、未来への希望が失われつつあります。このような混乱状況においては、子どもたちは平時以上に搾取の被害に遭う危険性が高くなります。すべての緊急支援策は、こうした危険性を減らすべく策定・実行されなければなりません。

4. トラウマに対するカウンセリング(心理面のサポート)と教育
被災した子どもたちは、心にトラウマ(心的外傷)を抱えています。緊急支援キャンペーンでは、子どもたちをいち早く学校へ戻してあげることにより、子どもたちがこうしたトラウマを克服することができるよう支援をすることができます。学校の再開が、希望と再建の何よりの旗印となります。また、学校という学習環境に置かれることによって、子どもたちは物事に前向きに集中することができ、おとなたちは再建に向けてより大きな自身を抱くことができます。教育再開に向けた努力の一環として、子どもたちが発する重いトラウマのサインを見逃すことがないよう、先生や保健員など、子どもと頻繁に触れ合うおとなたちをトレーニングする必要があります。

ユニセフは、世界的な支援の枠組みに関わるすべてのメンバーに対して、これら4つの項目を緊急支援努力における優先事項とするよう求めています。ユニセフの資源はこれらの4つの分野に投入されており、各国政府やその他のパートナー機関・団体が同様の対応をとるよう、支援の態勢を整えています。津波の被害を受けた多くの国々で、ユニセフはこれらの分野での調整役を担うよう要請されています。

未曾有の災害により被災した子どもたちに未来への希望を贈るために、私たち1人ひとりがそれぞれ重要な役割を担っていると、ユニセフは信じています。また、これらの優先事項4項目が私たちのすすむべき道を指し示していることも信じています。ユニセフは、この課題を全面的に受け入れることを表明してくださった各国政府、およびその他のパートナー機関に対して、尊敬と感謝の意を表したいと思います。

 

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◇ 募金のお願い ◇

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