HOME > 世界の子どもたち > 緊急支援情報 > スマトラ 第22報(モルディブ)
財団法人日本ユニセフ協会




 

モルディブ

 モルディブでは、子どもの生活環境の改善は継続的な課題です。津波は、モルディブのほとんど全ての島に被害を与え、人口の3分の1が日常生活を破壊され、島の10分の1の人々の居場所を失わせたのです。復興の最中ですが、基本的なサービスは機能しています。

子どもの生存

 人々が住んでいる199の島で、医療チームが3度も巡回し、はしか・ポリオ・結核・ジフテリア・百日咳・破傷風・B型肝炎の予防接種を95%以上の子どもたちに行いました。
さらに年末までには、世界保健機関(WHO)とともに行っているキャンペーンによって、10万人の子どもたちと若者にはしかと風疹の予防接種が行われます(予防接種率は90%)。保健制度については現在再建中で、通常のサービスが再開されたところです。慢性的な栄養不良は、津波をきっかけに悪化し、今後のユニセフの中長期的な優先事項の一つとなるでしょう。

水と衛生

 モルディブにおける水と衛生に関する主導機関として、ユニセフは23の逆浸透淡水化装置の導入を支援してきました。そのうちの5つについては、迅速な水の配給を行うためにボートに取り付けられています。これによって国中に毎日23万リットルの水を供給することが可能です。ユニセフの支援によって2,600の貯水タンクが設置され、37,000人以上の人々が雨水を利用できるようになり、5万人以上の人々が淡水化装置を利用しています。加えて、今後数ヶ月の間に、衛生環境システムの導入と下水処理のために1,500の汚水処理タンクも届けられる予定です。

子どもの保護

 ユニセフが支援する研修コースによって、321人の教師がトラウマの認識や創造的な芸術・表現療法の利用に関する基礎知識を学びました。津波の心理的影響に対処する目的でユニセフが政府と共同して開催したワークショップにも、1,000人以上の子どもたちやその両親、教師、ヘルスワーカーが参加しました。合計で、21,000人の子どもたちが心理社会的な支援を受けています。

学校へ戻ろう

 ユニセフは、39の現存する校舎と15の教員宿舎の改修を支援しました。約24,000人の子どもがレクリエーション道具を受け取り、28,636人が学用品、教科書、制服、かばん、おもちゃの支給を受けました。津波後の教師不足に対処するために、ユニセフは180人の最終学年に在籍する生徒を臨時教員として雇用することを支援し、新学年開始予定日のわずか2週間後には学校を再開することができました。2005年の終わりには、およそ50のコミュニティの幼稚園が修繕され、総合的な乳幼児発達センターとなる予定です。

課題

  • 巡回チームは、全ての子どもたちに予防接種を実施するため、各地に散らばって生活している人々のところへ訪問する必要があります。政府は、地域のヘルスポスト(診療所)にワクチンを保管しておくことで、この問題に対処しようとしています。
  • 交通手段の不足は津波の前からの深刻な問題でした。桟橋が破壊されてしまったために、その状況は更に悪化し、交通費は以前の3倍も高くなっています。

災害前よりも更に良い状態へ

 モルディブでは、教育面でも「災害前よりも良い状態」にする取り組みが始まりました。この先2年間の鍵となるイニシアチブは、ブロードバンドのインターネットアクセスが整備された20の研修センターを設置し、教師に実地研修を提供することです。「子どもにやさしい学校」コンセプトの一環として、100以上の幼稚園と90の小学校でこれからの2年間、教育の質と子どもたちの安全性の面での向上が計画されています。長期に渡る心理社会的面での支援として、カウンセラー研修、ピア・サポートプログラム(仲間同士で助け合う制度)、24時間のヘルプラインが、ユニセフの支援によって確立されつつあります。ユニセフのモルディブでの支援活動の一環として、安全な飲み水の確保と環境にやさしい下水処理システムの導入が今後も続けられる予定です。

支出の内訳

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