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財団法人日本ユニセフ協会
 



フィリピン台風緊急募金 第17報
災害発生後1ヶ月、被災した子どもは672万人
今なお168万人の子どもたちが避難生活

【2013年12月6日 フィリピン発】

フィリピン台風が発生して8日で1ヶ月がたちました。台風で被災した子どもたちは672万人、現地では今なお168万人の子どもたちが避難を続けています。緊急支援から復興支援へ推移しながら、ユニセフは、多方面から必要な支援を続けています。

感染症防止に必要不可欠な、きれいな水

© UNICEF PHILIPPINES/2013/VALCARCEL

タクロバンの東部ビサヤ病院に、祖母と一緒にいるのは、ユアン・レンマークちゃん(1歳)。ユアンちゃんは補水治療を受け、下痢から回復してきています。小児病棟の医師によると、下痢や風邪、肺炎への感染例が台風発生後、増加しています。

きれいな水を利用できることが、子どもたちの病気への感染を予防するために必要不可欠です。 ユニセフはフィリピン政府やパートナーと共に、一日も早い水処理施設の再稼働のため、燃料確保に奔走。台風発生から1週間後には、タクロバン市内の20万人以上が利用する水供給システムを復旧。また、これまでに36万500人分の水処理用品や貯水袋、家庭用貯水器を提供しました。

大規模な予防接種キャンペーン

© UNICEF PHILIPPINES/2013/VALCARCEL

イサベルちゃん(4歳)が、母親のグレースさんと一緒にいます。タクロバン市内で行われた予防接種キャンペーンの2日目、大雨が降るなか、フィリピン警察が購入した青いテントの下で、近所で暮らす子どもたちと一緒にはしかの予防接種を受けました。

WHOやパートナー団体との協力のもと、ユニセフはタクロバンに住む3万3,000人を対象に、病気の感染拡大を防ぐための予防接種キャンペーンを、11月26日開始。これまでに1万人の子どもたちがポリオやはしかの予防接種を受け、9,000人以上がビタミンAの投与を受けました。

栄養不良の子どもたちの発見、治療

© UNICEF PHILIPPINES/2013/VALCARCEL

レナート・ノンブレ・マヒルム・ジュニアちゃん(2歳)が、タクロバン市内にあるサンホセ避難所のベッドに横たわっています。学校の校舎に設置されたこの避難所には300の家族が一時的に身を寄せています。レナートちゃんは中度の急性栄養不良に陥り、治療を受けています。

11月22日、ユニセフはパートナー団体と共に、サンホセ避難所の94人の子どもたちの栄養状態をチェックしました。うち一人が重度の急性栄養不良、少なくとも3人が中度の栄養不良と診断されました。ユニセフは、重度の栄養不良の子どもを対象にした栄養治療食と、中度の栄養不良の子どもを対象にした栄養補助食、その他にも栄養不良を防止するための微量栄養素を提供しました。

現在までに、被災地域の2万1,000人の5歳未満児が栄養状態のチェックを受け、うち172人が重度の栄養不良、531人が中度の栄養不良と診断され、治療を受けています。

子どもたちの保護と心のケア

© UNICEF PHILIPPINES/2013/VALCARCEL

マリ・ルーさん(15歳)がかつて住んでいたバランガイは、海岸から50メートルのところにあります。この地域は特に甚大な被害を受けました。台風が到来したとき、マリさんは避難所にいたおかげで命が助かりましたが、その数日後マリさんが目撃したのは、レスキュー隊によって運び出される、近所の人々の遺体でした。

ユニセフはフィリピンの社会福祉開発省を支援し、「子どもにやさしい空間」を5ケ所以上に設置、子どもたちが安全に過ごせる場所を提供しています。また、携帯を使ったRapidFTRと呼ばれるシステムを用いて、家族と離ればなれになった子どもたちを発見・保護し、家族と早期再会するためのプログラムが行われています。あわせて、女性と子どもの保護を担当する警察官や自治体の担当者100名に、RapidFTRを使った手続きの教習を実施。現在、43名の家族と離ればなれになった子どもが登録・保護されています。

避難所の衛生環境の向上

© UNICEF PHILIPPINES/2013/VALCARCEL

12歳のソフィアちゃんは、現在、多くの人々とともに、教会に身を寄せています。台風によって家屋を破壊され、教会に避難してきた人々です。彼女の家族は無事でしたが、住んでいた家は全壊しました。「支援をしてくれて、どうもありがとう。神さまに守られて、私たちはなんとか暮らしています」と彼女はいいます。

ユニセフはこの教会で、家族の基本的ニーズを満たすための衛生キットを配布しました。また、パートナーを通じて、これまでにのべ10万人分の衛生キットを複数の被災地域で提供しています。また、2万5000人のニーズを満たす簡易トイレを各避難所などに設置しています。

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