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財団法人日本ユニセフ協会

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2010年9月発行 Progress for Children No.9
『子どもたちのための前進:公平性のあるMDGsの達成をめざして』

世界の子どもたちをご支援くださる皆様へ

2010年9月

ユニセフ親善大使
「MDGチャンピオン」
黒柳徹子

この度は皆様に、国連児童基金(ユニセフ)の報告書「子どもたちのための前進 公平性のあるミレニアム開発目標(MDGs)の達成をめざして」をお届けできますことを、嬉しく思います。

私がユニセフ親善大使になったのは、1984年です。以来、たとえば1990年には世界で年間1,240万人の子どもたちが5歳の誕生日を迎える前に亡くなっていましたが、さまざまな努力と皆様によるご支援の結果、2009年には810万人にまで減らすことができました。

でも、問題はまだ終わっていません。世界の同じ地域にあっても、一番貧しい子どもたち、一番遠くて支援が届きにくい所に住んでいる子どもたちは、豊かな家の子どもや都会の子どもたちに比べ、5歳になる前に亡くなってしまう可能性が高いのです。そして、報告書にもあるとおり、そのような取り残された子どもたちは、栄養不良により体の発育が十分でなかったり、小学校に通えなかったり、マラリアの治療を受けられなかったりすることが、とりわけ多くなっています。

ユニセフの親善大使として、そして国連の潘基文事務総長の呼びかけでお引き受けした「MDGチャンピオン」(MDGs推進貢献者)としても、お願いを申し上げます。どうか、最も忘れられた子どもたち一人ひとりに、必要な支援が届くよう、皆様のお力を貸してください。

黒柳徹子

国連児童基金(ユニセフ)東京事務所代表
平林国彦

「取り残される」、「排除される」、「紛争下の生活」、「貧困の中で生きる」。この報告は、そのような環境におかれている子どもたちのために発表されました。私は、紛争下のアフガニスタンやレバノン、また過酷な貧困と差別の中で生きるインドの子どもたちと出会い、そしてともに働いてきました。その子どもたちの多くが、私にいつも問いかけてきた言葉を、私は忘れられません。

「どうか、明日来るね、明日なんとかしてあげるね、と言わないでください。なぜなら、私たちは、今、生きているからです。今、本当に必要としていることがあるのです。私は、今日、学校にいきたいのです。今日、妹を病院につれていきたいのです。」

食料価格の高騰、世界的な金融危機、急速な都市化、自然災害や紛争は、このような状況にある子どもたちに最も影響を与えているのに、その声はあまりに小さく、私たちには聞こえてきません。いえ、もしかしたら、聞こうとしていないのかもしれません。

みなさん、どうか少しだけ時間をください。報告の数字やグラフの意味を理解し、そして、そこから聞こえてくるはずの子どもたちの声に、ぜひ耳をかたむけてください。私たちがすべきことは、明日にあるのではなく、今、あるはずです。

平林国彦

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