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公益財団法人日本ユニセフ協会

世界子供白書2012「都市に生きる子どもたち」

世界の都市化に伴い、いまや世界の人口の約半数が大小の町や都市に住み、そこには10億人を超える子どもたちが暮らしています。都市的な環境では、農村部に比べ、多くの子どもたちがさまざまな便益を得られます。しかしスラムや貧しい居住区に暮らす圧倒的に多くの子どもたちは、清潔な水、保健ケア、教育、電気などの基本的な社会サービスの近くにいても、その恩恵を受けることができません。さらに都市の過密した居住区では、病気に感染しやすく、災害の影響を受けやすく、常に暴力の危険にもさらされています。路上で働く子ども、人身売買された子ども、過酷な児童労働に従事する子どもたちにも十分に考慮し、都市の中の貧困と不公平性への取り組みや、子どもの権利の実現を果たしていく必要があります。

「世界子供白書2012」は、統計上の平均値では曖昧になる都市の中の格差や、様々なサービスからの排除、子どもたちが直面している危機や困難に焦点を合わせ、都市的環境で生きる子どもたちの生活での問題を取り上げます。

ますます多くの子どもたちが都市部で成長する中で、子どもたちが自らの権利を実現し、 能力を開花させるために、以下のような早急な行動が必要とされています。

  • 都市部の子どもたちに影響を与えている、貧困と排除の規模とその性質への理解を深める
  • インクルージョン(誰もが受け入れられる社会)を阻むものを特定し、取り除く
  • 都市計画、インフラ開発、サービスの提供、貧困と格差を軽減するための広範な取り組みが、子どもたちの特有のニーズと優先事項にしっかりと合うようにする
  • 都市の貧困層、特に子ども・若者と政府のあらゆるレベルでのパートナーシップを促進する
  • 社会から取り残され、困窮した子どもたちが自らの権利を十分に享受できるよう、国際社会、国、地方自治体、コミュニティで支援に取り組む関係者が、様々な資源とエネルギーを出し合う

どのような場所で暮らそうとも、いかなる場所で阻害されようとも、困窮している子どもたちに手を差し伸べるために、私たちはさらに多くのことに取り組まなければならないのです。

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巻末統計

 

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