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UNICEF コソボ速報No.31999年4月28日 <NEWS 1>
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口座名義 | 財団法人 日本ユニセフ協会(通信欄に「コソボ」と明記 ) |
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・当協会への募金は寄付金控除が認められます。
暴力、殺人など残虐的場面や、住み慣れた我が家を焼かれるなど、恐ろしい体験をした幼い子どもたち。信頼する家族や大好きなおもちゃを失った子どもの多くはトラウマ(精神的外傷)に苦しんでいる。車の音に脅え泣き叫ぶ子ども、制服を着た男性を見ると体の震えが止まらなくなる子ども、1日中泣き止まない子どももいる。 アルバニアのクケスでは、4人のユニセフ心理カウンセラーチームが、深刻なトラウマを負った子どもたちを対象に支援活動を行っている。カウンセラーは早朝に難民キャンプを訪れると、まず3歳から10歳までの子ども達を集め、グループ分けを行う。そこで健康状態のチェックとトラウマのレベルの診断を行い、最後にカウンセリングの一環として子ども達が遊び、絵を描き、話をする機会を設ける。 トラウマを負う子ども達の多くが暴力的傾向、もしくは逆に極度な鬱状態にある。ユニセフが行うカウンセリングの場で自分の体験、想いを自由に表現することで多くの子ども達の症状が改善している。音に対する過剰反応、同じ行動の繰り返し、会話の拒否など特に症状が深刻な子ども達には、1対1のカウンセリングを行っている。こうしたケースはこれまでに70例が確認されている。ユニセフは今後も対象を広げ、子どもたちの心の傷を癒す支援活動を積極的に進めていく。
14歳の女の子。コソボから脱出するために山の中を歩いていた彼女の家族は、偶然出会ったセルビア人の警察に呼び止められた。拳銃により脅迫をうけた彼女は、あまりの恐怖に直後全身麻痺の状態に陥った。家族による必死の介抱にも関わらず、彼女は歩くことも、話すこともできなかった。ユニセフのカウンセリングチームは彼女に1対1の心理治療を施し、ようやく彼女の口から言葉が洩れ、1人で歩けるようになったのは10日後のことだった。
短期間に大量の住民がコソボより隣国などに避難する混乱の中、子どもが肉親と離れ離れになるケースが多数報告されている。マケドニアでは4月22日現在、820の家族と250人の子どもが行方の分からない肉親を探している。ユニセフは国際赤十字やNGOと共に、子どもたちと肉親との再会支援を行っており、これまでに64人の子どもたちが家族と再会した。
フロリア・ベリシャは息子の姿を見つけると、彼の元に駆け寄り、強く抱きしめた。彼女の目からはこぼれ落ちる涙が止まらない。「嬉しくて心臓発作が起きそうだわ。」 彼女は喜びをそう表現した。
9歳のドリロンが家族と離れ離れになったのは2週間前のこと。コソボにある自宅からマケドニア国境の手前にまで避難した際、家族はセルビア当局にブレイス行きの列車に乗るように命じられた。その時、警官に脅されたドリロンは思わずラドゥサ行きのバスに逃げ込んでしまう。家族はそのままマケドニア・ボヤネの難民キャンプへ、ドリロンは40キロ離れたラドゥサのキャンプに収容された。
母親のフロリアはユニセフ、赤十字、各NGOで構成する家族再開支援プログラムにドリロンの捜索を依頼、数日後ドリロンの無事が確認された。母親は息子は活発な性格だとスタッフに説明していたが、2週間振りに母親と再会した時の彼はおとなしく、母親の腕に抱かれ力無くうなだれていた。彼の頬は涙で濡れていた。
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