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UNICEF コソボ速報No.41999年5月11日 コソボ難民の現状1999年3月24日以来、コソボ自治州の住民100万人以上が非自発的な要因から故郷を離れ、その内70万人がアルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア、モンテネグロなどのコソボ周辺国地域に避難した。コソボ内では保健、教育、その他の社会サービスが崩壊しており、コソボ内に残る多くの国内避難民は避難施設や食料、基礎的な生活物資の乏しい山岳地帯の僻地に身を潜めている。紛争の影響を受けた人々の多くは子どもや女性で、ユニセフでは50万人の子どもに対して緊急援助を行う必要があると見ている。 ユニセフ、援助活動を大幅に拡大ユニセフでは、紛争により難民もしくは国内避難民となったコソボ住民に対する援助活動を大幅に拡大するため、4月から6月の3ヶ月間で2613万9000米ドルの活動資金を必要としている。
アルバニアアルバニアに流入した難民の数は5月10日現在、42万2700人に達した。ユニセフはアルバニア内の6つの保健センターに対してワクチン、基礎医薬品、衛生用品などを提供している。コソボとの国境に近いクケスではこれまでに2万5千人の子どもに対して、はしかとポリオのワクチン接種を行った。予防接種活動では、毎日4千人の子どもを対象に接種を行い、最終的には5万人の子どもにすべてにワクチンを接種する計画。また、トラウマ(精神的外傷)を負った子どもに対しては、ユニセフの支援を受けた教員と社会福祉士が社会心理的ケアを行っており、4月8日の開始以来これまでに3000人のトラウマを負った子どもにカウンセリングを行った。またユニセフは、アルバニア教育省と共同で難民キャンプ内に簡易学校を開設するとともに、難民を受け入れている地域の小学校に対する支援も行っている。 モンテネグロモンテネグロにはコソボから6万3200人の難民が流入している。NATO加盟国に好意的な共和国政府とユーゴスラビア連邦軍との緊張がこれ以上に高まると、治安の悪化によりモンテネグロから第3国に難民が流出する恐れがある。ユニセフは難民に対して、幼児用のケア用品、毛布、幼児服、抗生物質、下痢による脱水症を防ぐ経口補水塩、浄水剤などの必需品を難民キャンプに配布している。また予防接種のため、ワクチン、注射器、ワクチン冷凍運搬用具、巡回医療のための車両の提供を行っている。 マケドニアマケドニアに流入した難民24万1200人の中で、約11万人が難民キャンプで避難生活を送っている。マケドニアへの難民の流入は1日1万人にのぼり、その多くが栄養不良に対する抵抗力の弱い子どもである。難民キャンプでは、避難の際に家族と離れ離れになった400人の子どもを確認しており、1000人の子どもが行方不明として両親から捜索依頼が出されている。ユニセフは、予防接種の実施、感染症や下痢の予防、保健教育の普及、基礎医薬品の提供、幼児用用品の提供、家族の再会支援、基礎教育の復興、トラウマ(精神的外傷)の治療などの活動を行っている。予防接種では、11の巡回医療チームを派遣し、5歳未満児3万人に対して6種類のワクチン接種を行っている。またユニセフは、5つの難民キャンプで簡易学校を開設すると共に、他の難民キャンプの子どもが地域の学校に受け入れられるよう教育省と協議している。難民キャンプの子ども3万人に教材を配布すると同時に、地域住民に受け入れられている子ども1万2千人に対しても教育支援を行っている。 ボスニア・ヘルツェゴビナ数年前の紛争による疲弊が著しいボスニア・ヘルツェゴビナでは、コソボ難民の流入が大きな社会問題を引き起こしている。これまでに1万8500人のコソボ難民がボスニア・ヘルツェゴビナに避難した。ユニセフは同国保健省と共にワクチンや注射器などの提供、地域の保健ボランティアの訓練などを行っている。また教育省と協力し教材・教具や教育設備の提供をすすめ、難民の子どもの教育活支援を行っている。 セルビア共和国・ボイボディナコソボからの国内避難民の数は6万人にのぼる。ユーゴスラビア連邦軍の軍事行動によって保健などの社会サービスが崩壊し、学校は閉鎖され、ユーゴスラビア市民は苦境を強いられている。ユニセフは避難民に基礎医薬品の提供、母乳育児の促進、子どもに対する社会心理的活動を行っている。 コソボ自治州コソボ自治州内にはいまだアルバニア系住民が40万から80万人残っており、その多くが避難施設の無い僻地の山岳地帯に身を潜め、食料や基礎生活品に困窮していると思われる。ユニセフはコソボへのアクセスを確保し次第、国内避難民に対する救援活動を開始する。
ユニセフ職員の配置
* モンテネグロ事務所代表は日本人スタッフの杢尾雪絵氏が務めている。 コソボ緊急募金にご協力をユニセフは、情勢の悪化と難民の急速な増加に対応し救援活動を大幅に拡大した。今後の状況次第で援助活動が長期間にわたることが予想され、ユニセフでは国際的な支援を呼びかけている。日本国内では財団法人日本ユニセフ協会(本部:東京都新宿区、会長:澄田 智)が、ユニセフの緊急援助を支援するためコソボの子どものための緊急募金の受付けを行っている。 コソボ緊急募金口座
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