UNICEF
トルコ大地震緊急援助経過報告
1999年10月12日
ユニセフの復興援助
ユニセフによる緊急・復興援助計画はトルコ危機管理センター、保健省、教育省、内務省等と緊密な協力関係のもと実施されている。ユニセフは地震発生直後より、水と衛生、教育、社会心理、保健、栄養、広報などの分野の専門家と緊急援助調整官から構成される「緊急援助チーム」を発足させ、現地の調査及び緊急・復興援助計画の立案と実施にあたっている。
ユニセフは、現地の様々な機関やNGOと共に、被災した子どもと女性に対する社会心理的支援を行った。また、地震による悲惨な体験を持つ子どもの精神的回復を支援するために、子どもに接する機会の多い教員に対して、子どもがトラウマ(精神的外傷)を克服するための知識面、技術面での訓練を実施した。テント村では、水と衛生に関する支援を行う機関から構成される給水調整委員会を設立するとともに、援助活動の調整のため、援助活動実施者が様々なデータや統計にアクセスすることが可能な地理情報システム(GIS)を導入した。
水と衛生
ユニセフは地震発生直後の緊急援助として、飲料水用容器2万個、給水タンク65個、浄水用錠剤260万錠、発電機15機、プラスチックシート2600ロールを提供した。
現在水と衛生の専門家5人を被害の甚大な地域に派遣し、現地での調査、復旧活動の調整、トイレやシャワー・ユニット、ゴミ処理施設の設計などを行っている。
現在行われている復興援助
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テント村での給水調整委員会の設置
- 70のトイレ施設の設置
- 330のトイレと132のシャワー用資材の調達
保健と栄養
地震直後、ユニセフは1万人が3ヵ月の間に必要とする基礎医薬品、医療用具が入った基礎医薬品セットを100セット、緊急医薬品や医療器具が入った緊急医療キット25セットを現地の保健、医療施設に配布した。
9月10日、予防接種のための資材、基礎医薬品、医療用具など、保健サービス復旧のためのユニセフの援助物資を積載した飛行機がアンカラに到着した。基礎医薬品セット300セット、緊急医療キット75セット、ワクチン運搬具150個、ワクチン用冷蔵庫50庫、防水布197(4m×50m)ロール、運搬用車両などが保健施設に提供された。
教育と社会心理サポート
調査団の報告をもとに、地震による被害の深刻な地域にあるテント村の子どもにレクリエーションの機会を提供するため、ユニセフは10の大型テントと玩具の入った箱10セットを避難施設に配布した。
ユニセフは教育省、社会サービスと子どもの保護局(SEHCEK)、トルコ心理学協会や社会心理的リハビリテーションやトラウマ・カウンセリングに関するNGOの専門家と協力して、トラウマに苦しむ子どもや、子どもに接する教員、ソーシャルワーカー、保健担当員などに対する支援を行っている。
学校支援プロジェクト
9月22日、アンカラに心理学者80人と心理カウンセラーが集まり、4日間にわたって教育心理に関する報告と、教育現場での社会心理的サポートに関する訓練を行った。次の段階では、上記の訓練を受けた専門家が、地震被害の大きな地区の教員に対して心理学的訓練を実施し、地域の子どもや両親に対する社会心理サポート体制の拡充を図る。最終的には、短期間のうちに300人の訓練員を通じて6,000人の教員の訓練を実施し、計24万人の児童や両親に対する支援を行う。
子どもに優しい空間づくり
子どもたちが訓練を受けた担当員やボランティアスタッフとともに遊ぶことができる「子どもに優しい空間」では、トラウマ(精神的外傷)を負った子どもの早期発見と、適切なカウンセラーの紹介など社会心理的なサポートを実施するとともに、自由に遊ぶことのできる空間を提供することで、子どもが安心感や平常心を回復するように側面からの支援を行っている。
心理学専門家52人から構成されるユニセフの社会心理チームは400人のボランティアスタッフや他のNGOと連携して、トルコ内の11のテント村にて地震による影響を受けた子どものための支援活動を行っている。
緊急募金のお願い
ユニセフのトルコ地震緊急援助に寄せられた募金は9月30日現在で約5100万円に達し、トルコでのユニセフの緊急援助活動に使用されています。ユニセフの緊急援助計画は約11億3000万円で、この内約6億1000万円がまだ不足しています。
トルコ地震緊急募金
郵便振替: |
00110-5-79500 |
口座名義: |
財団法人 日本ユニセフ協会(通信欄に「トルコ地震」と明記 ) |
・当協会への募金は寄付金控除が認められます。
お問合せ:(財)日本ユニセフ協会 協力事業部(TEL:03-3355-3222)
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