「子ども買春、子どもポルノ等処罰法」
11月1日についに施行
財団法人 日本ユニセフ協会
1999年10月29日
「子ども買春、子どもポルノ等処罰法」(正式名称:「児童買春、児童ポルノ等に係る行為等の処罰及び保護等に関する法律」、5月18日成立)が、来る11月1日にいよいよ施行されます。(添付資料「子ども買春、子どもポルノ等処罰法のポイント」参照)残念ながら「子ども買春、子どもポルノ」の加害者には多くの日本人も含まれており、この法律が日本において効果的に運用されることに国際社会の期待が寄せられています。
財団法人日本ユニセフ協会は、「子ども買春、子どもポルノ」は子どもの基本的人権の最も深刻な侵害であり、また最も有害で搾取的な児童労働であるとして、1996年以来その根絶を訴えて参りました。(添付資料「これまでの日本ユニセフ協会による取り組み」参照)また、当協会は本法律の施行に合わせ、広報用リーフレット30万部を制作、頒布を開始します。
報道関係の皆様には、本法律の施行を日本の皆様に広くお知らせし、その意義を理解していただくために、ご協力をお願い申し上げます。
この件に関するお問合せは
財団法人日本ユニセフ協会
広報室 森田、川上、加藤
TEL:03-3355-0161 FAX:03-3355-3473
[報道資料]
「子ども買春、子どもポルノ等処罰法」のポイント
◆18歳未満の全ての子どもを対象とする「子ども買春・子どもポルノ」が犯罪となります。
これまでの日本の刑法では、相手の同意があっても、13歳未満の男女に対してわいせつな行為をすることや、13歳未満の女子を姦淫することは犯罪とされていました。しかし、「子ども買春、子どもポルノ等処罰法」では、18歳未満の全ての子どもが対象になります。
「子ども買春」とは、対償を供与し、又はその供与の約束をして、子どもに対して、(1)性交等(性交もしくは性交類似行為)をする、(2)自己の性的好奇心を満たす目的で、子どもの性器等(性器、肛門又は乳首)を触る、(3)自己の性的好奇心を満たす目的で、子どもに自己の性器等を触らせる
ことです。
「子どもポルノ」とは、写真、ビデオテープその他の物で、(1)子どもを相手とする又は子どもによる性交等を描写したもの、(2)子どもの性器等を触る行為等で性欲を興奮させ又は刺激するものを描写したもの、(3)衣服の全部又は一部をつけない子どもの姿で、性欲を興奮させ又は刺激するものを描写したもの、のことです。インターネット上の子どもポルノも取締の対象となります。
◆「子ども買春、子どもポルノ等処罰法」では、日本人による、国外での「子ども買春、子どもポルノ」も処罰の対象になります。
◆子ども買春、子どもポルノは、親告罪ではありません。被害者からの訴えがなくても処罰されます。
◆「子ども買春、子どもポルノ」の罰則
「子ども買春」=3年以下の懲役又は100万円以下の罰金(4条)
「周旋・勧誘」=3年以下の懲役又は300万円以下の罰金(5条1項および6条1項)
「流通・販売を目的とした子どもポルノの製造」=3年以下の懲役又は300万円以下の罰金(7条)
[報道資料]
これまでの日本ユニセフ協会による取り組み
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1996年12月「犯罪です。子ども買春」ポスター1万5千枚を制作・配布。
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1997年5月28日駐日スウェーデン大使館との共催により、「児童の商業的性的搾取に反対する世界会議」(96年8月ストックホルムで開催)のフォローアップ会議、プレスミーティングおよび国際シンポジウムをスウェーデンのシルビア国王妃殿下、高円宮妃殿下のご臨席の下で実施。フォローアップ会議では、参加者を代表して、日本ユニセフ協会会長、国際エクパット議長、駐日スウェーデン大使が「共同声明」に署名。
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6月9日当協会澄田会長、東郷専務理事が、バールクヴィスト駐日スウェーデン大使、谷垣禎一ユニセフ議連事務局長(衆議院議員、自民党総務局長)と共に自民党の山崎拓政調会長、橋本龍太郎総理大臣を往訪し、上記「共同声明」を手渡すと同時に、本件に関する立法措置の実現を強く訴える。
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1998年4月初旬より本法案の早期成立への支持を求めて全国的な署名活動を開始。4万815人(5月21日現在)の方の協力を得る。
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1998年5月18日に山崎拓自民党政調会長、19日に伊藤宗一郎衆議院議長と村上正邦参議院自民党幹事長、20日に斎藤十朗参議院議長へ本件に関して陳情を行う。
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1998年10月6−8日にロンドンで開催されたASEM(Asia Europe Meeting:アジア欧州会合)児童福祉専門会合に民間セクターを代表して出席し、日本における状況を説明。
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1998年12月4日−5日 ユニセフグローバルフォーラムin東京─「犯罪です、子ども買春。」を開催。
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1999年5月22日 ストックホルム世界会議の第3回フォローアップ会議を駐日スウェーデン大使館、ストップ子ども買春の会との共催により実施。
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1999年10月15日 国際ワークショップ「子どもサイバーポルノを考える」を駐日スウェーデン大使館、ストップ子ども買春の会、日本ガーディアン・エンジェルスとの共催により実施。
(注)役職はすべて当時。
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