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ユニセフ事務局長、緊急人道支援への資金援助を訴える世界的な危機の中にある4500万人のために30億米ドルが必要 【ワシントンDC、2003年11月19日】 キャロル・ベラミーユニセフ事務局長は、支援拠出各国に対し、世界で何百万人もの人びとが直面している人道的危機に対して、より支援を行ってほしいと求めました。 世界で活動する人道機関を代表してベラミー事務局長は、世界の4,500万人以上に影響を与えている危機を解消するために30億ドルが必要であると訴えました。今年、このアピールは国境を越えた、21の危機−たとえば、南部アフリカを襲っている飢餓やHIV/エイズの惨禍など−を視野に入れています。これらは、地域的なものであり、複雑かつ協調した対応が求められます 「アフガニスタンやイラクを脅かしている危機と同じくらい重要なのです。緊急事態によって子どもたちの生活が打撃を受けているのは、アフガニスタンやイラクだけではありません」とベラミー事務局長は述べました。「ニュースのヘッドラインの先にある、アジアやアフリカ、中東の何百万人もの人びとが直面している危機や緊急事態を見ることは、私達の責任です」 2004年のこのアピール【Consolidated Appeal Process (CAP:共同支援アピール)として知られている】のテーマは、「私達の声を聞け」です。毎年発表されているCAPは、世界の主要な人道支援機関によって作成されます。2004年のアピールの中心となっているのは、天災や人災による緊急事態の中で生き延びようと必死になっている子どもとその家族のニーズです。 「ユニセフは、危機が起こったときには、きちんとした迅速な対応こそが重要だと認識しています。しかし、長期的に見て効果的な支援とするために、それらの活動は持続可能な解決方法をもたらすものでなければなりません」とベラミー事務局長は述べます。「人道支援とは、絆創膏や毛布のことではありません。危機から抜け出し、長期的な開発と危機からの復興へのロードマップこそが、私達の使命にとって重要なのです」 緊急事態下では、いつも子どもたちがもっとも危険にさらされます。戦時下で命を失う子どもの多くは、暴力の直接の結果として亡くなるのではなく、紛争がもたらすもの、例えば、栄養不良や疾病、雨風を防ぐシェルターがないことや、安全な水や衛生施設が手に入らないことなどによって亡くなるのです。 ユニセフの活動は、危機に際し、もっとも危険にさらされている子どもや女性を守ることです。特に、生存、保健、水と衛生、学校の回復、もっとも危険にさらされている子どもの保護といった分野で、戦略的な支援を提供することに主眼を置いています。 以下は、緊急事態にある国々におけるユニセフの活動の例です。
危機的な状況下で、人々の命と生活を守るという挑戦は、チームでの努力が必要です。ユニセフは、WFP、UNHCR、UNDP、UNFPA、WHO、FAO、OCHA、UNSECOORDなどの国連機関、そしてNGOと緊密に協力しながら活動しています。 「複雑な問題には、複雑な解決方法が必要です」とベラミー事務局長は述べます。「ユニセフは、これまで、長期にわたる開発と人道支援の盟友達とのパートナーシップの中で、解決方法を見出そうと活動しています。私達が、同じく精力的で熱意ある活動を続けるためには、支援者が必要なのです。2004年のCAPは、私達が何に注目しなければならないか、明確に示しています」 2004年のCAPアピールの中心にある21の危機とは以下の国や地域のものです。アンゴラ、ブルンジ、チェチェンとその周辺共和国(ロシア連邦)、中央アフリカ共和国、コートジボワール、朝鮮民主主義人民共和国、コンゴ民主共和国、エリトリア、グレートレイクス地域、ギニア、リベリア、パレスチナ、シエラレオネ、ソマリア、南部アフリカ、スーダン、タジキスタン、タンザニア、ウガンダ、西アフリカとジンバブエ ユニセフは、子どもたちをはぐくみ、ケアすることが、人間の進歩の礎石となると考えています。ユニセフは、世界各地のパートナーと手を携え、子どもたちの道をさえぎる貧困や、暴力、疾病、差別などの障害を克服するために活動しています。貧困の悪循環を断ち切るためには、政府、市民社会、家庭が、子どもの権利に投資することが必要です。子どもの健康、栄養、教育、平等性の確保、社会的・感情的および認識力の発達に資することは、より民主的でより公平な社会への投資になるだけでなく、より健康で、より読み書きができ、採取的には、より繁栄した安全な社会への投資でもあるのです。 アピールの詳細については、こちらのサイトをご参照ください(英語)
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