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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

マラリア予防のために、改良型蚊帳の増産を
需要と供給の格差改善に向け、さらなる生産努力が求められる

ヨハネスブルク
2004年9月23日

 防虫効果が持続するマラリア予防のための新型蚊帳に対する需要と供給のギャップを狭めようと、今日、南アフリカのヨハネスブルクで会議が開催され、関連機関と民間企業が生産・流通のさらなる促進へ向けた話し合いを行います。

 これまでの蚊帳は、洗濯すると殺虫剤が洗い流されて効果がなくなってしまうため、蚊帳を殺虫剤に浸す再防虫処理が必要でした。この問題を解決するために開発された新タイプの蚊帳は殺虫剤が繊維に練りこまれているため、洗濯しても効果が失われることなく、蚊帳自体の耐用年数にわたって殺虫効果を発揮しつづけるものです。

 この蚊帳に対する需要は今日ますます増加し、製造と供給が追いつかない状況にあります。2日間にわたって開催される今回の会議は、世界保健機関(WHO)、ユニセフ(国連児童基金)、ネットマーク(マラリア予防のための地域パートナーシップ)、そしてロックフェラー財団を含む、Roll Back Malaria(RBM)Partnership(マラリア根絶のためのパートナーシップ)が開催するものです。蚊帳の購入・配布の分野で世界第一位の実績を持つユニセフでは、すべての需要を満たすためには、今後5年間において毎年3,000万から4,000万張の蚊帳が必要だと推定していますが、現在の生産量は年間1,300万張に留まっています。

 「アフリカで進むマラリア予防プログラムが被る影響を考えると、私たちにとってこの不足は大変憂慮すべきものです」ユニセフ東・南アフリカ地域代表のパー・エンゲバク氏は述べました。「今回の会議では、民間企業とともに生産拡大の方法について議論を交わすことになるでしょう。私たちの目標は命を救うことです。30秒に一人の割合で、マラリアのために子どもが命を失っています。防虫処理を施した蚊帳がひとつあれば救える命です。生産を飛躍的に増加させることができれば、数百万人の子どもの命を救うことが可能になるばかりか、民間企業にとっても喜ばしい結果が得られるはずです」

 この蚊帳に対する需要が増加した理由の一つは、世界基金(Global Fund)からの支援です。同基金からの支援によって各国が蚊帳の配布計画を拡大することが可能になり、生産量の大幅な増大が必要になったのです。

 「この会議に民間企業が参加してくれたことにより、私たちは大きな希望を抱いています」RBMパートナーシップ事務局長のアワ・マリ・コル・セック博士は述べました。「生産拡大のための強力な実行プランが成立し、民間部門がそれを推進してくれることに期待を寄せています」

 会議には石油関連企業のほか、防虫剤や繊維業界、蚊帳の製造業者、商社、マラリア発生国のマラリア・プログラム担当者や援助機関、世界銀行、ヨーロッパ連合(EU)、世界基金、米国国際開発庁、国際協力機構(JICA)などから100名以上が参加する予定です。

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