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テニス界のスター、ロジャー・フェデラー氏がユニセフの親善大使に【2006年4月3日、ニューヨーク発】男子テニスの世界No.1プレーヤー、ロジャー・フェデラー氏が、ユニセフ(国連児童基金)の親善大使に任命されました。アン・ベネマン ユニセフ事務局長は、ニューヨークのユニセフ本部で、この24歳の若きテニスプレーヤーをユニセフに迎えました。 フェデラー氏は、24歳にしてすでに史上最高のプロテニスプレイヤーの一人といわれています。試合で見せる力と技の巧みなコンビネーションだけでなく、コートを離れても、その品位と尊敬すべき人格はよく知られています。 「私はコートの上ではたくさんのことを成し遂げてきたかもしれません。ですが、コートの外でもより多くのことを実現していきたいと思います。それは、私の将来にわたる大きな目標の一つです。ユニセフが築き上げてきた偉大な伝統を担うひとりになれたことを大変光栄に思います。」 親善大使就任にあたり、4月3日午前中(現地時間)に正式な署名が交わされましたが、その際ベネマン事務局長は、世界ランク1位のプロテニスプレイヤーを親善大使に任命した理由についてこう説明しました。 「スポーツの世界で彼を際立たせているのは、才能だけではありません。われわれがフェデラー氏を親善大使に任命しようと考えたきっかけは、彼個人に関する逸話と、子どもたちのために自身の名声を役立てようという強い意志だったのです」 フェデラー氏が最初にユニセフに協力したのは、スマトラ沖地震・津波が発生した1年余り前のことです。津波被害の後、緊急支援のために個人で多大な寄付をし、他の選手とともに募金活動を行いました。さらに、スター選手らによるエキシビション・トーナメントを開催し、その収益金をユニセフのスマトラ沖地震・津波における緊急支援プログラムに寄付したのです。このエキシビションをきっかけに、ユニセフと男子プロテニス選手協会(男子プロテニスの運営組織)は世界的なパートナー関係を築き、テニスの力をすべての子どもの健康、教育、保護のために役立てることを目的に協力を続けています。 またフェデラー氏は、スマトラ沖地震・津波緊急支援の以前から、社会のなかでもっとも弱い立場に置かれている子どもたちの状況に目を向けてもらおうと精力的に活動していました。2003年、彼はロジャー・フェデラー基金を設立し、以来母親の母国である南アフリカを中心に、困難な状況にいる子どもたちを救うプロジェクトに資金援助を行っています。 「すべての子どもたちは、よりよい人生を送るチャンスを与えられるべきだと思っています。これがロジャー・フェデラー基金の使命なのです。基金では、貧しい子どもたちに教育を受けさせ、食べ物を提供すると同時に、世界の子どもや若者たちの間にスポーツを広めることに取り組んでいます」 スポーツから学ぶ教訓フェデラー氏は現在までに36のテニスタイトルを獲得しており、そのうちの7回は、テニスプレイヤーなら誰もが憧れるグランドスラムのタイトルです。2005年、ウィンブルドンとUSオープンでは前年に続いてタイトルを守り、両トーナメントで2年連続優勝を果たした選手としては約80年ぶりのプレーヤーとなりました。彼は、社会でもっとも弱い立場にいる子どもたちのニーズについて人々の認識を高めるうえで、スポーツは理想的な手段だと考えています。 「スポーツは、尊敬の心やリーダーシップ、そして人と協力することなど、人生における大切な教訓を教えてくれるものです。この点で、ユニセフと私の信念は一致しているのです」 「スポーツは不公正に打ち勝ち、文化や国家をつなぐ架け橋になることができると信じています」親善大使の任命式で、フェデラー氏はこのように述べました。テニスプレイヤーとして、私たちだけにできることがあります。スポーツの世界を超えて現実の世界とつながり、私たちの積み上げてきた富と幸運を、それをもっとも必要とする人たちのため、彼らの人生に良い変化をもたらすために利用することこそが、私たちに与えられた責任なのです」
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