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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

5歳未満のアンゴラの子どもたち550万人にポリオの予防接種

【2006年11月30日、ルアンダ発】

今年12月2日から4日、アンゴラではポリオを撲滅するという強い決意のもと、全国予防接種デーが展開される。予防接種の対象となっているのは、全国18州の5歳未満の子どもたち550万人である。

この予防接種デーは、中央省庁および地方政府が中心となり、ポリオ撲滅にかかわるアンゴラ国内外のパートナー−世界保健機関(WHO)、ユニセフ、ロータリー・インターナショナル、欧州連合、COREグループ、赤十字、米国国際開発庁(USAID)、国軍、教会組織など−の支援を受けて実施される。今年すでに6月と9月、アンゴラは二度の全国予防接種デーを成功させており、予定を上回る接種率を記録した。今回は生後6カ月から5歳未満の子どもたち550万人に、経口ポリオワクチンと同時にビタミンAの接種も予定されている。これは、幼少期に病気にかかっても重症化しないための戦略の一環である。

第三回目となる今回の全国予防接種デーを成功させるため、アンゴラ政府とパートナーの 諸団体は、全国の164市491村から選ばれた2万4,950人の予防接種担当者と6,861人のソーシャル・モビライザーを動員する。およそ250万米ドルにのぼる経費は、政府とパートナー諸団体から拠出されている。

予防接種デーの三日間に、予防接種移動チーム(予防接種担当者、ソーシャル・モビライザー、保健管理者によって構成)が徒歩で遠隔地の村々をまわり、5才未満のすべての子どもたちが経口ポリオワクチンの接種を受けることができるようにする。これは、国内のポリオ野生株の蔓延を阻止するための必要条件となっている。移動チームのメンバーとして保健の専門家や学生、国連スタッフ、NGO、教会、軍隊、ボーイスカウトやガールスカウトなどが参加する。

アンゴラは2001年9月以来、ポリオの発症件数ゼロを記録してきたが、2005年6月に野生株が見つかり、今回の予防接種の実施につながった。アンゴラと隣接するコンゴ民主共和国とナミビアでも、野生株による影響が出ている。

野生株が広がる主要因となるのは、低いワクチン接種率(60%未満)と人々の移動である。これまで、アンゴラの18州のうち5州(ベンゲラ、ルアンダ、ルンダ・スル、モシコ、ウィラの各州)で、ポリオの発症が確認されている。

2005年6月から2006年11月までの間に、アンゴラでは11件のポリオが報告された。WHO によって勧告されたRED(Reaching Every District: 全郡網羅)作戦の実施、保健衛生の専門家の養成、コールドチェーンの強化など、アンゴラは、ポリオ撲滅への歩みを確実なものとするために取り組むべき大きな課題を抱えている。

アンゴラで前回ポリオが集団発生したのは1999年で、当時1,117件の発症が報告され113人が死亡した。それ以降、近隣諸国(コンゴ民主共和国、コンゴ、ガボン、ナミビア、ザンビアなど)における予防接種デーと時期を合わせ、年三回の全国予防接種デーを毎年実施することで、ポリオ撲滅を推進してきた。軍事的な内紛や不安定な国内情勢にもかかわらず、予防接種を受ける子どもたちの数は予想を上回り、70〜100%の接種率となっている(これは5歳未満の子ども約200〜300万人に相当する)。

WHO、ユニセフ、ロータリー・インターナショナルなどのパートナーは、ポリオ撲滅活動の成功を確実なものとするために、保健省に対して技術、ロジスティック、財政の各方面で多くの支援を提供してきた。また、とりわけ国軍は、もっとも遠隔な地に住む人々への予防接種実施にきわめて重要な役割を果たしている。

アンゴラがとっている戦略には、戸別訪問による5歳未満児への予防接種のほか、疫学的監視やコミュニティおよび地方政府の参加、ソーシャル・モビライゼーション・チームの活用、メディアの参加などがあげられる。メディアは、子どもを持つ親に対し、ポリオから子どもたちを守るため、予防接種所に子どもを連れてくるよう促す、大きな役割を担っている。

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