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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

バングラデシュ 3,000万人を対象に水と衛生分野の支援

【2007年1月23日 ダッカ発】

英国国際開発省(DFID)とユニセフは、バングラデシュ政府に対する6,280万米ドルの資金拠出の合意文書に署名。バングラデシュ国内の3,000万人を対象に、2007〜2011年に飲料水の供給および衛生設備の改善のための支援を行う予定。

DFIDバングラデシュ事務所代表代理エリザベス・キャリエール氏と、ユニセフ・バングラデシュ事務所代表ルイス‐ジョージ・アルセノルト氏の間で合意文書が交わされた。

この合意によって、バングラデシュ政府の公衆衛生工学局(DPHE)とユニセフが共同で実施する「バングラデシュ衛生設備、衛生教育、飲料水供給プロジェクト(SHEWA-B)」が支援を受ける。5年間のプロジェクト期間中、DFIDは6,280万米ドルを拠出する。またユニセフは約930万米ドルを拠出し、バングラデシュ政府は約1,690万米ドルを負担する。

調印式でエリザベス・キャリエール氏は、次のように述べた。「バングラデシュでは1日当たり約100人の子どもたちが、劣悪な衛生状態と設備が原因で起こる下痢性疾患で命を落としている。DFIDは、プログラムの対象地域に住む3,000万人に対し、衛生設備の改善と安全な飲料水の供給を支援する。また、学校に通う子どもたちや最貧層の人びとが受益者となるような特別措置をこうじる。我々はユニセフのような経験豊富な組織と協力し、バングラデシュ政府のプログラムを支援する」

また、ルイス‐ジョージ・アルセノルト氏は述べている。「DFIDからの寛大な資金拠出に深く感謝する。公衆衛生工学局とユニセフとの連携を通じ、『2015年までに安全な飲料水と基本的な衛生設備を継続的に利用できない人びとの割合を半減させる』というミレニアム開発目標7の達成に向けた第一歩となるだろう」

アルセノルト氏は、この開発目標を達成しなければ、人びとの健康と福祉がさまざまな面で妨げられることを指摘。清潔な飲料水、適正な衛生状態や衛生設備などの欠如が子どもと妊産婦の高い死亡率の原因となっていることに言及した。

SHEWA-Bによって、最貧層の人びとのうちの約5,100万人が安全な飲料水の供給を受けることができるようになる予定。また7,500の小学校に安全な飲料水を提供するとともに衛生設備の改善が実施され、子どもたち約1,500万人がその恩恵を受ける。さらに、450万人の子どもたちが学校で衛生教育を受けられる。

SHEWA-Bは、DFIDが支援した37郡で実施され成果をあげた「農村部の衛生、衛生設備、給水プロジェクト(RHSWSP)」を引きつぎ、規模を拡大したものである。RHSWSP は2005年12月に終了したが、衛生に関するコミュニティの意識が改善されてきたことを実証した。そこから得られた教訓が、SHEWA-Bのなかに組み込まれることになっている。また、ユニセフの最近の都市部プログラムやヒ素汚染緩和対策なども組み込まれる。

SHEWA-B第1期(2007〜2009年)は、平野部16地域の60郡およびチッタゴン丘陵地帯3地域の300パラ(自然的な小集落)が対象となる。第2期(2009〜2011年)は、12地域にある44郡とチッタゴン丘陵地帯の300パラが対象となる予定である。また、対象となる地域の中心地区にあるスラムでもプログラムが実施される。

近年、バングラデシュは乳幼児死亡率が大幅に減少しているものの、それでも劣悪な衛生状態と衛生設備が原因で起こる下痢性疾患で、1日当たり100人あまりが死亡している。このため、子ども、とくに女子生徒の出席率や学業成績への影響は深刻で、不衛生な設備は女性の尊厳をも脅かしている。

ユニセフとDFIDの協力は、SHEWA-Bを通じ、バングラデシュの飲料水と衛生設備分野のすべてのプログラムに拡大される。SHEWA-Bは、貧困削減戦略ペーパー(PRSP-2005)のなかで最優先とされている政府の飲料水供給および衛生設備についての計画に、大きな前進をもたらすと期待されている。

1990〜2002年の間に、バングラデシュの衛生設備の普及率は23%から48%に増加した。しかし、国民1億4,000万人のうち7,200万人がいまだに衛生設備を利用できない状況にある。SHEWA-Bは42%にあたる3,000万人を対象に支援し、衛生設備の普及率を70%に増やしたいとしている。

飲料水の供給については、安全な飲料水が利用できない500万人あまり(15%)を対象に支援を行い、ヒ素汚染の危険にさらされる人口を半減(250万人)、そして安全な飲料水普及率を79%に引き上げる計画である。一方、SHEWA-Bの学校部門では、バングラデシュの課題である就学率、とりわけ女子児童生徒の就学率を改善するため、男女別のトイレの設置や衛生教育を組み込むことなどが予定されている。

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