はしかの予防接種キャンペーン、ザンビアで成功
生後9ヶ月〜5歳の子どもの接種率は100%以上
【2007年10月31日 ルサカ発】
7月初旬に実施された1週間の全国はしか予防接種キャンペーンで、生後9ヶ月〜5歳の210万人以上の子どもたちが、はしかの予防接種を受けた。
2002年以前のザンビアでは、はしかは子どもの5大死亡要因のひとつであった。しかし、キャンペーンが行われてから、はしか発症数がゼロになった。
今年の全国予防接種キャンペーンは保健省が組織し、ユニセフやWHO、“はしかと闘う救命パートナーシップ”というパートナー団体・機関による連合が支援と資金拠出を行なった。過去2年間におけるはしかの散発的な発症件数の増加に対処することを目的としたものである。(2006年の発症件数は100件)。
8,997人以上のワクチン接種担当者とボランティアが、全国1,351ヵ所の常設および移動接種所で活動を行い、地元のボランティアに支えられたキャンペーンとなった。キャンペーンが始まる数週間前には、大型トラックや飛行機も使用され、ザンビア全土に予防接種のための物資が届けられた。
ザンビア保健省大臣ブライアン・チトゥウォ氏はルサカで結果を公表し、次のように述べた。「はしかは子どもの生命にかかわる病気である。ワクチン接種で予防できる他の病気と比べて、世界中で毎年はしかによる死亡者が一番多い。しかし、はしかは、ワクチンを接種すれば、簡単に予防できる病気なのだ。」ブライアン氏は、今回のキャンペーンの成功によって、ザンビアの子どもたちが、はしかで死亡することがなくなるだろうと結んだ。
予防接種を受けるためのコストが、子ども1人当たり1ドル未満になって何十年も経過しているが、いまだ、多くの開発途上国で子どもたちの命が奪われ、世界全体でも、はしかは子どもの病気の主な原因のひとつである。
はしかの予防接種に加えて、ユニセフは、子どもの免疫機能や生存、成長、発達に不可欠なビタミンAを提供。また1〜5歳の子どもには駆虫薬が投与され、保護者50万人には、殺虫剤処理済みの蚊帳が配布された。ユニセフは、キャンペーンが始まる前に、コペンハーゲンにあるユニセフ物資供給センターからワクチンと注射器を調達し、準備を整えた。
ロタ・シワンダー、ユニセフ・ザンビア事務所長は、次のように述べている。「今回のキャンペーンは、様々な組織が協力して成果を上げることができたと思う。ユニセフは、計画から実行までキャンペーン全てに参加した。すべての委員会に出席し、助言を与え、社会的動員、物資調達、サービス分配、輸送、キャンペーンのモニタリングと評価など、あらゆる場面にかかわった。」ユニセフのコミュニケーション・チームは、すべての家族に予防接種キャンペーンを告知し、その重要性と恩恵を説明するため、マスコミや伝統的リーダー、教会組織、学校、民間企業などとも協力して活動した。
この大規模なキャンペーンの300万米ドルの経費の大半は、国際機関による寄付でまかなわれている。ユニセフは170万米ドル、WHOは59万米ドルを拠出した。ユニセフはまた、国内での輸送や研修、社会的動員、人件費などの実施上のコストも部分的に拠出している。ザンビア政府は18万5000米ドルの資金とインフラ設備や人員を提供し、全体の経費負担額はそのほかに50万米ドルあまりと推定される。