鳥インフルエンザの予防とマスメディアの役割
ユニセフ主催、ヨーロッパ・中央アジア地域閣僚級会議
日本政府の支援で開催
【2007年2月13日 ジュネーブ発】
ヨーロッパと中央アジアが鳥インフルエンザの脅威に再び直面していることを受け、ユニセフは日本政府の支援で、鳥インフルエンザ予防に関する閣僚級会議を開催する。
鳥インフルエンザの脅威に対する一般の理解は、以前より広がっているとはいえ、旧ソビエト連邦諸国のほとんどがその世界的大流行(ヒトからヒトへの感染)に対して準備ができていない。この地域で出たH5N1の死亡者9人のうちの7人が子どもであり、家庭に正しいメッセージを伝えることが重要である。
13日から3日間の日程で開催されるセミナーには、ウクライナ、アゼルバイジャン、ウズベキスタン、カザフスタン、タジキスタンの代表が出席。国家準備計画のなかで『コミュニケーション』が疫学的訓練と同じくらい重要であることが強調される。
この会議は、WHO(世界保健機関)、世界銀行、欧州疾病予防管理センターをはじめとするさまざまなパートナーとの緊密な協力で、国連インフルエンザ対策調整の枠組みのなかで開催される。
「鳥インフルエンザや汎発性インフルエンザを阻止したり、対処するためのキーワードは、準備と適時性だ。日本政府がこのような重要な会議の開催を実現してくれたことを、大変感謝している」ユニセフ中部・東部ヨーロッパ、独立国家共同体地域事務所長マリア・カ リビスはこう述べた。
この会議には、各国から大臣や副大臣、報道官らが参加。また最終日には、マスメディアの意思決定者(社長、幹部、編集者、ジャーナリスト)が招待されることになっている。
この地域のマスメディアと政府との関係は、ソビエト体制崩壊後、相互不信と不透明感が先行し、自由主義経済がもたらした好ましくない影響によってさらに悪化している面が強い。会議の最後に設けられた「マスメディアと政府との交流」というセッションは、政府とマスメディアとの間にオープンな関係が必要であること、鳥インフルエンザのような「国家の緊急事態」に、マスメディアが果たす役割が重要であることなどが強くアピールされる予定である。
会議では、国内外の危機情報伝達フローや、政府内そして国内の指令伝達網に関するセッションも設けられている。これらの情報伝達システムは、イギリスで狂牛病や口蹄疫の大量発生、そして他の国々における鳥インフルエンザの発生などから得た教訓をもとに作られている。
ユニセフは、鳥インフルエンザの大流行に備え、全国規模の予行演習を実施する場合に、こうした情報伝達機構をテストするよう、各国政府に強く促すことにしている。
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