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モルドバ:司法制度の改正〜若者にやさしく国際基準に近いものへ〜
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© UNICEF/MOL/V.Taranu |
ユニセフとモルドバ最高裁判所は、モルドバの司法制度が、より若者にやさしく、ヨーロッパおよび国際的な基準を満たしつつあると発表した
これは、2006年8月の刑法および刑事訴訟法の改正によるところが大きい。
「政府当局、刑法改正を専門に扱うNGO、ユニセフの三者の協働による成果は、今後の法改正に向けて良い先例となる。刑事司法制度のなかでの子どもに関する法規や処遇は、欧州連合が求める必要条件を満たしつつあり、専門家たちは子どもへの思いやりある態度を保持する努力をしている」最高裁判所の副長官ライザ・ボテザトゥ氏はこう述べた。
法に抵触した子どもに関係する法律が改正され、すでにその成果が現れている。18歳未満の子どものこう留期間が、最長15年から12.5年に短縮され、何らかの犯罪行為により公式に告訴される前の拘束時間も72時間から24時間に減らされた。さらに、現在は、子どもの犯罪捜査の責任は警察ではなく、検察当局が負うようになっている。加えて、すでにこう留されている子どもたちについて、拘置所に送られることとなった事件の再捜査も認められる。
ユニセフ・モルドバ事務所長レイ・ヴァージリオ・トーレス氏は、「これらの法改正が子どもに利するものであることは明らかであり、今後も継続して改正が行われる動きもある。とりわけ、過ちを犯した子どもに対して、こう留に替わる選択肢や、専門的な社会復帰サービスの提供が必要である。子どもは拘置所ではなく、学校の一員であることがふさわしい」と述べた。
ユニセフと刑法改正研究所により発行された2004年の調査報告書『拘置所における子どもたちの現状』によると、法に抵触した子どもたちは、正当防衛の権利をたびたび侵害されていた。
新しい改正法が施行された2006年8月以降、600人の子どもが何らかの犯罪行為により告訴された。そのうち、380件は裁判にかけられたが、130件は捜査段階で訴追を免れた。裁判になった事件の大半でも、こう留に替わる選択肢が提示された。
「子どもの犯罪の大半は経済的な問題から生じており、しかも初犯であるという状況においては、できるだけ迅速に事件を調査することと、こう留に替わる選択肢を適用することが基本要件だ」検察本部未成年・人権保護部長ユーゲン・ルース氏はこう述べた。
未成年者のこう留延長は、かれらの長期的な成長過程に深刻な影響を及ぼしてきた。こう留に替わる選択肢を推進することが、モルドバの司法制度にとって優先課題である。そうなれば、子どものこう留は例外的措置となる。こう留が避けられない場合には、その期間をできるだけ短縮する必要がある。