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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

女の子、改善は見られるが依然として暴力と差別の対象に

【2007年3月5日 ニューヨーク発】

ユニセフ事務局長アン・ベネマン氏は今日(5日)、第51回国連女性の地位委員会の場で、女性や女の子に対する暴力は不平等のもっとも極端な形のひとつであると述べた。

「改善は見られるものの、今も世界では何百万人もの女の子たちが学校に通わず、搾取的な労働に従事し、人身売買の対象となり、HIV/エイズ感染の危険にさらされ、性的暴力の対象となっている。」ベネマン氏は3月8日の国際女性の日に先立って、こう述べた。

ベネマン氏は、女の子と女性に対する差別と暴力の間には重大な関連があることを強調し、武装紛争における性的暴力、人身売買、慣習(名誉殺人、結婚持参金のダウリをめぐる犯罪、早婚、女性性器切除など)に関連した性的暴力をとりあげた。

「あまりにも多くの国や地域で、女の子の窮状が無視され否定されている。そのため女の子たちは無言で苦難に耐えており、家族や地域社会の福祉にも多大な悪影響を及ぼしている。」

ベネマン氏は、女の子への差別と暴力に対処しミレニアム開発目標の達成を促すためのカギは教育にある、と語った。教育を受けた女の子のほうが、HIV/エイズなどの生命を脅かす病気から自分を守ることができ、生存して大人にまで成長する健康な赤ちゃんを産み、早婚にならず、出産する子どもの数も少ないという傾向にある。

「経済的な発達は、女の子も男の子も共に教育を受ける社会で促進される。女の子が学校に通い、安全な環境で学習できるように手助けするため、我々はいっそう努力していかねばならない。」

それには、多くの貧しい家庭が娘を学校に通学させない原因となっている学費を廃止すること、学校に女の子のための衛生施設を整備すること、幼児の発達を地域社会を拠点として促進すること、校内や登下校中における暴力から女の子を守ること、などの実施が含まれる。

女の子(もっとも不利益を被り、社会的に無視されている女の子も含む)が、暴力や虐待の心配をせずに娯楽・学習活動に参加できるような安全な空間を持てるようにすることも重要である。

また男性や男の子が、女の子への差別や暴力を終わらせる闘いにかかわる必要がある。

「男性や男の子は、女性や女の子が平等を勝ち取るため、暴力に反対するための有力な協力者となることができる。ジェンダーの平等を達成するには、社会全体が参加して、女の子や女性が低く評価されたり否定されることを許している規範に挑戦することが必要だ。」

「どこの国や文化、地域社会でも、ずいぶん前から、女の子と女性を平等に扱うのが最善の策であるという考えを受けいれるようになっている。良識と経済から言って、社会はそれを構成している人口の半数を無視しては良い結果を期待することはできない。」

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