ボリビア:子どもたちを襲った史上最悪の洪水被害
【2007年3月12日 ニューヨーク発】
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© UNICEF Bolivia/2007/Ramirez |
史上最悪の洪水で住む場所を追われたサンタクルス県とベニ県の人々が生活する、道路沿いに設けられた避難キャンプ。 |
昨年の12月からボリビアを襲った豪雨は、川の氾濫や農作物への被害など、国内各地に大きな傷跡を残しました。特に北中部のベニ県は、県の面積のほとんどが冠水。家畜に大きな被害が及び、住民の多くも住む場所を追われました。
ボリビア史上最悪とも言われるこの豪雨で、少なくとも40万人が現在避難生活を余儀なくされています。
災害発生から3ヶ月が経ちますが、アマゾン平野に位置するベニ県の状況はまだ予断を許しません。県の中心地のトリニダで、路上のテントや学校に設置された避難所での生活を今も余儀なくされている人々の4割は子どもです。
そんな避難生活をおくる子どもの一人、ルチエン・サンチェス君(8歳)は、「ぼくの家の中庭が、一晩で水浸しになっちゃったんだ。ベッドに入った時には何も無かったんだよ。でも、朝起きたら、家の周りには水・水・水。だから家を捨ててここに来るしかなかったんだ」っと当時をふりかえります。
子どもたちの健康被害:予想される「最悪」の状況
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© UNICEF Bolivia/2007/Ramirez |
一見綺麗に見える水も、実は汚水。洪水被災地の子どもたちは、下痢や感染症の脅威に晒されています。 |
被災地の子どもたちは、汚水や不衛生な環境からくる健康被害の脅威に晒されています。こうした子どもたちへの医療支援が急務となっています。
「呼吸器感染症や皮膚病など、汚れた水や土壌によって病気になる子どもたちが増えています。また、下痢や消化不良を起こす子どもたちも増えています。でも、『最悪』の状況はまだこれからなんです。水が引いた時に、様々な感染症が流行する可能性があります。」と現地の医師、カルロス・カステードさんは語ります。
子どもたちに「日常」を取り戻すために
ユニセフは、ベニ県の他、同様に洪水の被害を受けたサンタクルズとコチャバンバの両県でも、安全な飲料水の供給や衛生分野での支援、仮設小学校の開設などの支援活動を展開しています。
「被災者の多くが子どもたちです。ユニセフは、引き続きの彼らの健康を守り、彼らが学校に戻れるように支援を続けなければなりません。」被災地の一つトリニダを訪れたユニセフ・ボリビア事務所のゴードン・ジョナサン・ルイス代表は、ユニセフの支援活動が、子どもたちに失った「日常」を一日も早く取り戻すことを目指していると語ります。
注: このレポートでお伝えしたユニセフの支援活動は、ユニセフの現地事務所が緊急事態に備えて日ごろより備蓄していた支援物資や皆様からお寄せいただいたユニセフ募金(使途を限定しない募金)などを活用して展開されており、これまでのところ、ユニセフは、国際社会に対して追加の支援要請(アピール)を発表しておりません。
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今回のような自然災害等の被害に、世界中のユニセフの現地事務所がいち早く対応できる体制づくりにも
役立っています・・・「ユニセフ・マンスリー・サポートプログラム」へのご協力のお願い
「子どもを支援する」ことは、子ども時代全体を支えること。時間のかかる根気のいる活動です。自然災害や紛争などの緊急事態、あるいは貧困などによって生命の危機にさらされている子どもたちをいち早く助けることは、重要なユニセフの活動のひとつです。しかし、そこは出発点にすぎません。その1年先、5年先、10年先を視野に入れた活動がなければ、子どもたちを本当の意味で支えることはできません。「ユニセフ・マンススリーサポート・プログラム」は、ご負担とならない任意の一定額をお決めいただき、月々の自動引落によりご協力いただき、子どもたちの成長に合わせた、ユニセフの継続的な支援活動を支えていただくご協力の形です。また、こうしたご協力を通じて、ユニセフは、世界各国のユニセフ事務所に、今回のような自然災害等の被害にいち早く対応できる体制を整えています。
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