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国連『障害者の権利条約』に81カ国が署名【2007年3月30日 ニューヨーク発】 ユニセフは、国連「障害者の権利条約」に81カ国と欧州共同体(EC)が署名したことについて、障害を持つ子どもの権利の保護に向けた大きな一歩であるとして歓迎の意を表明した。 この「障害者の権利条約」が各国で法制化されるためには、署名国はこの条約を批准しなければならない。ジャマイカは批准第1番目の国となった。 「障害者の権利条約」は、国連総会において採択された条約のなかでも、障害者の権利に焦点を当てた初めての条約であり、障害を人権の問題として取り扱うことに社会的な地位と権限を与えるものである。世界全体で障害のある子どもの数についての正確なデータはないが、現在約1億5,000万人と推定されている。 障害のある子どもたちは、世界の子どものなかでも特に差別され、疎外されている。障害のある子どもへの誤解や恐れが、家庭、地域社会、学校やもっと広い社会全体から子どもたちを疎外する。差別が子どもたちへの健康や自尊心に影響し、教育を受けることを阻害し、暴力・虐待・ネグレクト(放置)などの高いリスクを招いている。 条約の署名式にはニカラグアとアルメニアから2人の若い障害者が参加し、障害者に関する政策や法律について、障害のある子どもたちに発言権を与え、政策決定者がかれらの声を聞くことの重要性を訴えた。この2人が参加したことで、新しい条約の実施にあたり、障害のある子どもの現状に特別な注意を払う必要があることが強調された。 この条約を批准した国々は、障害者の権利を改善するための法律や政策を策定し、障害者の差別につながる規定や習慣を廃止することを約束している。 この条約は、障害のある人々の参加によって起草された、これまで前例のない条約である。障害者運動のモットーである「私たちがいない間に私たちのことを決めないで」にあるように、子どもを含め障害のある人々の参加と知識が、この条約の採択を成功させる鍵となった。 ユニセフは、障害のある子どもや青少年の社会への参加を推進するために活動している。この分野でのユニセフの活動例として、障害のある子どもを施設に収容して行うケアサービスを減らすこと、統合的な教育戦略の推進、社会における保護システムの強化の一環として障害のある子どもに対しての関心を喚起すること、地雷犠牲者への支援などがあげられる。 『国連子どもの権利条約』に加え、『障害者の権利条約』が採択、署名されたことで、ユニセフは障害のある子どもの権利を保護するための法的な枠組みを得ることができた。ユニセフは、地域事務所および現地事務所に対し、各国がこの条約を批准するように促し、条約の履行を支援するよう働きかける。
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