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ソマリア:紛争が何千もの避難民への支援を妨げる【2007年4月20日 ナイロビ/ケニア発】 ユニセフとその他の国連諸機関は、ソマリアの首都モガディシュで続く現在の紛争の影響を受け、避難生活を余儀なくされた子どもとその家族の支援に尽力しているが、治安の悪化がこれを妨げている。 ユニセフ・ソマリア事務所長クリスチャン・バルスレフ・オルセン氏は次のように述べた。「避難民の大半が女性と14歳未満の子どもであり、かれらへの支援が極めて困難な状態にあることを大変憂慮している。かれらの大半は、地域社会においてもっとも弱い立場にある。我々は、ソマリアの市民社会が人道支援団体に対してさらなる支援を訴えているのを知り、物資および技術面における支援など、できる限り対応しつづけている。しかし、支援を提供できる地域は限られている。我々は、紛争にかかわるすべての当事者に対し、もっとも支援を必要としている人々に支援を提供するため、彼らが力を尽くすように繰り返し求めている」 モガディシュは12月以来、危機的な状況にある。報告によると、20万人以上の人々が紛争を逃れて移動し、病院は負傷者であふれ、保健センターで手当てを受ける急性下痢性疾患の患者数が増加している。 「首都のユニセフの倉庫が保管している支援物資は、紛争が原因で人々に届けることができない。また、追加の支援物資を運びこむためにモガディシュの空港を利用することは危険を伴う」 バルスレフ・オルセン氏はこう述べた。 しかし一方で、ユニセフは備蓄されていた物資を使い、少なくとも7,300世帯に“家族支援キット”(毛布3枚・バケツ2個・ビニールシート1枚・調理セット1組・棒石鹸5本)を提供し、避難民の家族を支援している。また各家庭には、殺虫剤をしみ込ませた蚊帳が2つずつ提供された。これは世界エイズ・結核・マラリア対策基金がソマリアで行っているマラリア予防プログラムの一環である。 首都および周辺部の避難民の数が増加するにつれ、公衆衛生の状況が悪化しており、現在の限られた基本サービスの提供にもしわよせが来ている。また、病気の感染のリスクも高まっている。この状況に対処するため、ユニセフはWHO(世界保健機関)や現地のコミュニティ、協力関係団体と連携し、安全な飲料水の提供や病気の治療、急性下痢性疾患の伝染の予防などにつとめている。この活動には水源の塩素消毒、トイレの設置、石鹸や浄水用錠剤の提供、とくに避難民が集まっている場所での清潔・衛生習慣の推進なども含まれる。 さらにユニセフは、モガディシュ周辺に貯水袋(塩素消毒をした水5,000リットルを貯めることができる)を4つ提供した。 保健所や妊産婦・子ども保健クリニックにも、下痢治療のための経口補水塩や静脈注射キット、効果が高いといわれるマラリア治療キット(アルテミシニンと他の抗マラリア薬を併用する治療法:ATC)、迅速な診断テストなどが提供された。 国内での移動手段が限られていることから、ユニセフはソマリア南部における子どもの権利侵害の状況を調査できるかどうかについても懸念している。子どもの保護観察者の報告によると、7カ月〜18歳の子どもたちが無差別銃撃や爆撃の犠牲者となり、多くが重症を負ったり、または命を失っている。ユニセフは関連機関を動員、支援し、首都からの大量の避難民が発生したとき、家族とはぐれた何百人もの子どもたちを家族と再会させる活動も行っている。
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