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ユニセフと列国議会同盟(IPU)、子どもへの暴力の防止に向け団結【2007年5月7日 インドネシア発】
インドネシアのヌサ・ドゥアで開催された第116回列国議会同盟(IPU)会議にて、ユニセフとIPU諸国は、各国における子どもへの暴力に歯止めをかけるためには、さらに多くのことができると述べました。 国連事務総長が最近発表した調査によると、子どもへの暴力は広範にあるが一般には認知されておらず、きわめて有害なものだとされています。暴力による身体的、情緒的、心理的な傷は、子どもの発達や健康、学習能力に深刻な影響を及ぼす可能性があります。 ユニセフ事務次長 丹羽敏之氏は述べています。「子どもへの暴力に対処する最善の方法は、起こる前に止めさせることです。組織的な国家戦略によって子どもへの暴力の予防に対処しつつ、政府と議会が、虐待と搾取の恐れがない、安全な生活環境を子どもたちのために作りあけねばなりません」 「暴力は貧困、非識字を継続させ、若くして死に至らしめる危険があります。広範囲におよぶ暴力は社会から発展の可能性をうばい、ミレニアム開発目標に向けた前進を妨げるのです」IPU代表ピエール・フェルディナンド・カシーニ氏は語っています。 議会がこの問題に取り組むのを支援するために、ユニセフとIPUは国会議員向けに特別に作成されたハンドブックを発表。カシーニ氏は「このハンドブックを利用し、さらに子どもを保護できる環境を創造するための必要なツールを見つけてもらいたい」と述べています。 インドネシアで開かれた1週間にわたるこの会議には、世界の100カ国以上から国会議員や国際組織が参加し、宗教的な寛容の強化、平等な権利の推進、子どもへの暴力と闘うための戦略などが話し合われました。 丹羽氏はさらに次のように述べています。「このように多くの国会議員がここに集い、暴力を終らせるための対策を講じようとしているのを目の当たりにできたことは本当に喜ばしいことです。国会議員は子どもの保護についての一番の推進者であり、そうするべき立場にもあるのです。国会議員は法律を制定し、政府の活動を監視し、財源を割り当て、国家のリーダーとして変革のための代弁者となることができます」 IPUはジュネーブで1889年に設立され、同地に本部を置くもっとも歴史の古い多国間政治組織です。現在は148カ国と準加盟国際議会7つが加盟している。ニューヨークにも事務所があり、国連へのオブザーバーとして参加しています。 ユニセフは150カ国以上で活動し、そのほぼすべての国で保護者のいない子どもや最悪の形態の児童労働、子どもへの暴力などに焦点を当てて、子どもの保護プログラムを実施しています。過去2年間で、ユニセフは子どもの保護に関する活動に2億4,000万米ドルを支出しています。
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