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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

ジンバブエ:保健キャンペーンの中心にポリオ予防接種

【2007年6月6日、ジンバブエ・ハラレ発】

今週、全国子ども保健デーが展開されているジンバブエでは、200万人の子どもたちがポリオの予防接種を受けている。月曜日に始まったこのキャンペーンは、「今日のジンバブエが抱える課題のひとつ、子どもの生存にとって不可欠であり、果敢な目標達成に向けて順調に進んでいる」と、ユニセフ・ジンバブエ事務所代表フェスト・カビッシュ氏は述べた。

今や恒例の保健行事となっているジンバブエ子ども保健デーは、期間中、国内の5歳未満児すべてに定期予防接種とビタミンAの投与を実施しようとするものである。

今年のキャンペーンでは、2段階で実施予定の全国予防接種キャンペーン期間中、すべての5歳未満児が最初のポリオ接種を受けることになっている。キャンペーンはユニセフ、世界保健機関(WHO)、ヘレンケラー財団の協力のもとにジンバブエ政府が実施する。

「ジンバブエでは1999年にポリオ・フリー宣言が出された。しかしポリオの脅威は今も存在しており、最近ボツワナとナミビアで発症が報告された」とカビッシュ氏は語った。「イギリス国際開発省(DFID)・カナダ国際開発庁(CIDA)・アイルランド政府からの資金拠出によって行われるこの1週間のキャンペーンは、きわめて緊迫した状況にあるジンバブエの保健サービスを活性化させるにあたって、重要な意味を持っている」。

子ども保健デーは、ワクチンやその貯蔵・輸送、人件費などに100万米ドルの経費をかけて行われる集中的なキャンペーンである。保健・子ども福祉省とユニセフが、何百人ものヘルス・ワーカーやボランティアに研修と支援を行った。子どもたちを結核、はしか、ジフテリア、破傷風、百日咳、B型肝炎、ポリオなどから守り、ビタミンAの投与を行うため、公的な保健施設や学校、教会などが予防接種センターとなった。

過去の子ども保健推進活動では、キャンペーンという方法が効果をあげていることが実証されている。2005年に10%未満だったビタミンAの普及率は、最近のキャンペーンによって今では80%以上になった。2001年から2004年の間に50%近く低下した全体の予防接種率も、再び70%以上に回復している。保健・子ども福祉省の記録では、はしかとマラリアの発症件数も減少した。このような進展の多くは、近隣の保健委員会や宗教的リーダー、地域の長老などが、強い決意を持って、子どもを予防接種に連れて行くよう母親に促したことによるものである。

イギリスと日本からの資金援助で、ユニセフはジンバブエ予防接種拡大プログラムに対し、予防接種用ワクチンすべての購入、ワクチンを保存するためのコールド・チェーン器材の配備、ヘルス・ワーカーへの技術的支援面での支援を実施する。

「この全国キャンペーンは、ジンバブエにおける子どもの病気と死を減らすための唯一の、そして最も重要な支援である。しかし我々は、過去の成功を維持し、それをもとに前進しなければならない。私たちの目標は、ジンバブエのすべての子どもたちに対する予防接種を継続することである」。ユニセフ・ジンバブエ事務所の保健事業主任コレッタ・キバッサ氏はこう述べた。

ジンバブエは世界でもこれまでにないほどのインフレと高い失業率、多くの孤児をかかえおり、家庭には大きな負担がのしかかっているため、このキャンペーンはきわめて重要な時期を迎えているといえる。

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