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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

エイズの影響を受ける子どもにとって、教育は“希望の窓”

[2007年6月18日、ニューヨーク発]

HIV/エイズの深刻な影響を受け続けているサハラ以南のアフリカの国々は、この病気の流行に対処するために教育を優先事項と位置づけてきた。今日(18日)、5つのパートナー機関は改めて、この地域の国々が取り組む教育活動を支援すると表明した。

今年後半に発表される合同報告書、『HIV/エイズに対する教育分野での対応を加速させる:5年の進展』の中で、国連エイズ合同計画(UNAIDS)、子どもの発達のためのパートナーシップ、ユニセフ(国連児童基金)、ユネスコ(国連教育科学文化機関)、世界銀行は、この病気の影響を最も強く受けている国々の子どもたちに教育が希望を与えると述べている。

「若者とくに女子のHIV感染を防ぐためには、教育が欠かせない。成長に伴って自分を守る知識・技術・価値観を学ぶことで、HIVとエイズに無縁の生活を送ることができる。同時に、HIV感染の予防は、教育の需要と供給および質を確保するために欠かせない」と報告書は述べている。

5つの機関は、それぞれ過去5年間に、エイズの流行に対処するための教育分野での取り組みを促進すべく、サハラ以南のアフリカ諸国を支援してきた。『HIV/エイズに対する教育分野での対応を加速させる:5年の進展』と題された報告書は、それら支援活動の成果に焦点をあてて報告している。今日、報告書の要約版がセネガルのダカールで発表される。その中では、主たる政策決定者やその実施者のメッセージが紹介され、参加機関が互いに調整・協力して対応するための方法が提案されている。

教育はHIV感染にまつわる汚名をなくすとともに、感染予防を推進するにあたって大きな役割を担っている。また教育は、教職員へのケア・治療・支援の提供にも役立っている。教職員は、サハラ以南のアフリカの一部の国々では、公共部門で働く人々の60%を占めている。

しかし報告書によると、青少年はHIV/エイズについて十分な情報を得ていない。ただ単にセックスとHIVについての真実を伝えるだけでは、感染しやすさを減らし、リスクの高い行動を変容するためには十分でない。生活の中の様々な機会からより良い決定を下し、その決定に従って行動するには、ライフスキルの習得が欠かせない。

報告書はまた、若い女子のエンパワーメント(地位向上と能力育成)なしには、教育で病気の蔓延を防ぐことはできないだろうと述べている。女性のほうがHIV感染のリスクが高く、病気の負担も重くなっているが、その主たる原因はジェンダー格差なのである。教育は社会的な不均衡と不平等を再生産することもできれば、社会を変革することもできるのである。

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