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財団法人日本ユニセフ協会

ライブラリー プレスリリース

機会提供 人生に目標持つように

【2007年9月11日 信濃毎日新聞掲分】

すべての子どもたちは、安心して生活できる環境を持ち、遊ぶ権利を持っています。しかし、すべての子どもたちが、この権利を行使できているわけではありません。児童労働に従事する五歳から十七歳の子どもは二億千八百万人、人身売買の被害にあう子どもの数は、毎年百二十万人、子どもの兵士は二十五万人にも上るといわれています。遊ぶ権利をもっていながら、遊ぶことができない子どもたちがいるのです。

ユニセフはスポーツが子どもの成長にとって重要な役割を果たすと考え、スポーツを通じて、子どもたちが労働や紛争の不安から解放開放され、平等の概念やチームワーク、社会のルールを学べる機会を提供しています。

ブラジルでは、元少年兵や危険な労働に晒されていた子どもたちが、ユニセフの支援するプログラムを通じて、サッカーやダンス活動に参加できるよう取り組みが行われています。現在も約千五百人の子どもが参加しています。参加している子どもたちは、生計を立てることが難しく、ごみ山や路上で暮らすような生活を送っています。こうしたプログラムに参加することで、社会的な差別に打ち勝ち、未来への希望を持って歩きだすきっかけを作ります。

© UNICEF/HQ04-0847/Francois d'Elbee
ザンビアの小学校でサッカーをする女の子たち。

スポーツは、途上国では特に女の子に特別な意味や機会を提供する手段になります。スポーツの機会を提供することにより、女の子たちとコミュニティーとの間に新たな「接点」が生まれ、社会から疎外されている女の子たちに、教育や保健衛生の知識など、生きるために必要な基本的な知識を学ぶ機会を提供することができるのです。

また、多くの人に親しまれているスポーツ界の選手やチームが世界に呼びかけることで、子どもたちの状況を人々に伝え、改善のための支援を喚起することにつながります。

ユニセフは、二00六年九月にFCバルセロナとパートナーシップを結びました。FCバルセロナのユニフォーム前面にロゴがついたことは、クラブの歴史の中でも始めてのことでしたが、FCバルセロナは、年間約二億二千二百万円を五年間にわたり、子どもたちを取り巻くエイズの諸問題の解決、特に、この病気で親や保護者を失った子どもたちの保護のために、ユニセフへ提供することを約束しました。「クラブ以上の存在」として欧州サッカー界を率いるFCバルセロナは、サッカーを通じて、世界の子どもたちのサポートを呼びかけているのです。

また、0七年九月開催のFIFA(国際サッカー連盟)女子ワールドカップ中国大会を機に、FIFAとユニセフは、女子教育の重要性を訴えるキャンペーン「Goals for Girls!〜女の子に教育の機会を!〜」を展開します。女の子が教育の機会を得ることにより、ジェンダーによる差別がなくなり、社会的な地位を確保すること、子どもたちの生存や健全な発達の促進につながっていくのです。

スポーツを通じて、子どもたちは夢を持ち、人生に目標を持つことができます。すべての子どもたちが安心して生活できる環境、遊ぶ権利を行使できるよう、サッカーやスポーツを通じて発信されるメッセージは、確実に広がりつつあります。

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